救急救命の手引き

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この資料について

この資料は,社団法人/日本医学協会 公認の救急蘇生指導員である私が,職場や県の高体連行事の救急法講習会用資料のために作成したテキストです。

このテキストを作成するに当たり,日本医学協会で学んだ知識がバックボーンになっていることは言うまでもありません。指導員研修会でお世話になった川原群大先生をはじめ,諸先生方のご尽力に感謝する次第です。少しでもこの資料が,皆さんのお役に立てるのであれば,それは協会の先生方のご尽力に報いるものと考えるところです。

非営利な目的である転載,記載,配布は自由です。 このページへのリンクも歓迎します。お役に立てれば幸いです。

また,資料へのご意見や,ご質問,ご感想も是非 こちら から,お寄せ下さい。私自身の参考にもなります。よろしく,どうぞ!



はじめに・・・

 一口に救急活動と言いましても,それはとても広義にわたり考え られます。 倒れた人を発見した第一目撃者が,救急車の到着を待つあいだに施す手当,救急隊員が病院に到着するまでのあいだに車内で施す手当,救急病院の看護婦が確実な治療体制に入るまでのあいだに施す手当・・・。救急活動とは,緊急度の高い場面において,それぞれの立場に置かれた人が,可能な限り施す救命への活動,全てを指します。

 一般に医師の資格を持たない我々の救急活動とは,専門用語で言 う一次救命手当(BLS)になります。BLSとは,確実な医療処置,治療の施せる医療機関に渡すまでの事態発生直後の緊急度の高い処置や,応急手当を指して言います。そして,このBLSの如何によっては,救える命が救えなかったり,逆に絶望的な状況からの奇跡的な蘇生を呼び起こしたり,いわば一人の人命の行方を左右することさえある,とても重要な知識と手技なのです。このBLSは,人命救助に対する問題意識と,ある程度の研修と,そして,ほんのわずかな勇気さえ備わっていれば,誰にでも習得できるものなのです。

 BLSとは,一般に心肺蘇生(人工呼吸,心マッサージ)に代表 されますが,今回はそれだけでなく,その緊急度を高くさせる原因である傷病への適確な処置(止血法,RICEの4原則)と,安全確保(搬送,三角巾法)の大きく3つに分けた事柄ついて手引きします。


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参考資料

日常の生活の中でも見られがちな傷病に関して,その応急処置を中 心に参考資料として記載してあります。

1.スポーツ外傷

<原因>

<外傷の種類とその救急処置>

(1)創傷

擦過傷
擦り傷のことである。処置としては,傷口をよく洗浄すること が大切である。 化膿菌を除去することが目的である。その後は,ガーゼなどを 当てがわず乾燥させてしまう。

裂 傷
比較的鋭利な断端をもって皮膚が切れた状態である。 度合いによっては,多量の出血があり,救急に止血の必要に迫られ ることもある。処置としては,傷口の洗浄は,擦過傷と同じく必要であるが,傷が深くに及び激しい出血がある場合は,まず止血が先決となる。止血法は,直接圧迫止血法と間接圧迫止血法の二つが考えられる。なお,緊縛による止血は絶対に避けなければならない。

刺 創
竹,釘などのようなもので刺した傷である。 傷口は小さくとも深部に及んでいるため,化膿菌が発生しやすく, 破傷風が恐い。効果的な処置が難しく,せいぜい出血によるわずかな受創部の洗浄にしか期待できない。必ず,医師の治療を受けること。
(2)打撲・挫傷,および捻挫(靭帯損傷)
打撲・挫傷とは,打撃,衝突など直接の外力によって起こる皮 下組織の損傷である。皮膚の損傷はないが,皮下の血管がやぶれて皮下組織内に出血する。また捻挫とは,関節に外力が加わり,生理的運動範囲を超えた動きによって,関節の構成体である関節包や靭帯に損傷が生じた状態である。軽症のものでは,靭帯の繊維がほんのわずか切れた程度であり腫れや,疼痛も少ないが,疼痛で歩行が困難であるような場合では部分断列を起こしている恐れもあり,再発しやすい。ときには,完全断列などの重症な場合もある。

処置:RICEの4原則

    (Rest)
    局所の安静。受傷部位を休ませる。
    (Ice)
    局所の冷却。氷や冷却シップ等で,受傷後素早く冷やす。
    (Compression)
    局所の圧迫。外部からテーピング等で圧迫し,内出血を止める。
    (Elevation)
    局所の挙上。受傷部を心臓より高いところに挙上し,止血を助ける。
(3)骨折

     処置:
基本的には,骨折部位の固定である。 その際,副木などを用いて固定するが,骨折部位の上下2関節を動 かさないように固定すること。特に注意することは,骨折端で2次 的に血管や神経,皮膚などを損傷しないようにすること。また,骨 折の際に血管を著しく損傷した場合,内出血から来るショック症状 に注意しなければならない。骨折部の挙上,全身の保温などが上げ られる。
(4)アキレス腱断裂
    処置:
患者を仰向けに寝かせ,足首を軽く伸ばした状態で足の裏全体から,腱の上部までを固定し,直ちに受診させる。

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2.日射病と熱射病

<原因>
睡眠不足,体調不調等のコンディションなどに加え,長時間にわたる直射日光の下や高温多湿な環境下で活動したときなどに,体温調整機能低下によって起こることが多い。
<救急処置>
日射病と熱射病とはどちらも体温調整機能 低下による点では同じであるが,決定的な違いは,前者は直射日光などによる直接的な体温の上昇に対し,その放熱が追いつかずに機 能が低下するのに対し,後者は高温多湿な環境での労働などにより 体内に熱がこもり機能が低下する。症状は,前者は赤ら顔で,多量 の発汗,四肢が熱い。後者は顔色に血の気がなく,不自然なほど汗 をかいておらず,皮膚が乾燥している。処置は,どちらも意識のあ る内の早期の段階での対応が大切である。風通しの良い,涼しい場 所で横にして休ませ,衣類,靴下,ベルトなどの体を締め付けるも のは全てゆるませ,水分を与えながら,人的(水や氷,風を送るな ど)に体を冷却させる。とにかく意識のある内に体温の低下に努め なければ,重大な結果につながる。浣腸なども,効果的である。
<予防>
高温多湿や,熱い場所での行動を極力避け, 普段から十分な水分を確保し,陽射しなどを遮るためにつばの広い 帽子(麦わら帽子が一番)の着用を心掛けること。

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3.心肺蘇生法(CPR)

 心肺蘇生法(CardioPulmonary Resuscitation)とは, 人工呼吸でもっとも効率の高い吸気蘇生法 (Expired Air Resuscitation)と,閉胸式心臓マッサージ(CC M)を組み合わせた一連の救急救命活動の手技を言う。具体的な実 施方法は実技で行うが,CPRを実施する際に特に注意しなければ ならない点を,以下に上げる。

  1. 倒れるまでの前後 を確認できていない状況下では,患者の状態を素早く観察すること。 例えば,出血はないか,失禁していないか,嘔吐の後はないか,特 に頭部,脊髄への損傷の可能性はないか。
  2. 協力者の要請。 出来るだけ多くの人を呼びつける。
  3. 周囲の状況を判断し て実施する。
  4. 倒れている人に対し,絶えず声を掛け続け 意識を呼び起こす努力を続ける。
  5. 呼吸,脈拍の確認を絶えずする。
  6. ひとたびCPRを始めたからには,意識がはっ きりと回復するか,救急隊等に引き渡すまでは絶対に断続してはな らない。

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4.その他

  やけど
とにかく素早く,熱傷部位を水で冷やすこと。その際注意することは,水泡が出来ているようなときは,絶対に水道水 を直接かけないこと。水泡が破れる恐れがある。
  毒 蛇
咬まれた傷口より,出来るだけ心臓に近いところを軽く縛り,走ったりせず(血液の流れを活発にさせない。), 傷口を心臓より低いところに保ち搬送する。
  喉の刺
魚の刺などは,割り箸に綿をつけ,水を浸して患部付近で回転させればとれる。
  鼻 血
酢を浸した綿を鼻の入り口につける。
  喉内異物
咳を続けさせる。指を入れる。叩打法(背部に回り,肩胛骨の間を掌打する)の実施。
  過呼吸
ヒステリックや,パニックに近い状態の中で陥りやすい症状である。メンタルなケアが大切である。気持ちを安定さ,ビニール袋を吸わせるなどの処置が考えられる。

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実技概論

1.搬送法

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2.止血法

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3.三角巾法

 三角巾の大きさは,1メートル四方の正方形を対角線に,2等分したもの。

    たたみ三角巾

    三角巾を帯状に畳むことにより,四肢などの比較的狭い部位への被覆や圧迫が出来ます。場合によっては,ロープ代わりに牽引なども出来ます。

          

      
    手の圧迫・被覆法

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    肩の固定・被覆法

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    上肢の吊り方・固定法

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    肘,膝関節の固定・被覆法

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    踵部被覆法

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4.人工呼吸法

    ハワード法

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    シェーファー法

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    ニールセン法

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    シルベスター法

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    ヒップアップ法

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    EAR(口対口)

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5.CPRの実際

 心マッサージ(CCM)と人工呼吸(EAR)

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