2016.03.10 UP

企業と連携してビジネスに挑む

商経学部 学生団体 CUC Students' Company(CSC)

商経学部は2015年度、連携する企業や高校の協力を得て、学生たちが商品開発や商店街の活性化に取り組むことを目的とした「企業とつくるプロジェクト」を立ち上げました。
この中で、学生たちが起業をめざす初の試みが行われています。その団体はCUC Students' Company(CSC)。独自性の高い商品やサービスを生み出し、会社を設立して実社会と同様のビジネスに挑戦しようとしています。

商品開発と会社設立、2つの挑戦!!

2015年7月、商経学部は純粋チョコレートを使用した商品の製造販売を手がけるロック製菓株式会社と産学連携協定を結び、これを契機に、学生17名が同社の協力を得て、チョコレート菓子商品の開発に取り組み始めました。企業と連携し、商品開発を実践から学ぶことは、これまでにも例がありますが、彼らは商品開発と同時に会社設立という目標を立て、学生団体CUC Students' Company(CSC)を結成。会社を興し、開発する商品で事業を行うことで、社会へ出る前に実践的なビジネスをやってみることを決意しました。

めざすは健康志向のチョコレート

CSCは経営学科の有賀祐太さんを代表に、全学年から参加しています。商品開発を前に、ロック製菓(株)の八千代工場を訪れた学生たちは、菓子業界やチョコレート製品の特徴などを学び、商品のアイデアを探りました。週1回のミーティングを重ね、数々の提案の中からCSCが狙いをつけたのは、健康志向のチョコレート。4つの案から商品化にかかる費用などを考慮し、実現性の高い2つを選び、商品企画の具体化に取り組みました。
一方で、会社の事業として行う以上、商品の製造や広報活動などに必要な資金も自分たちで用意しなくてはなりません。CSCはクラウドファンディングを利用して賛同者を募り、運営資金の調達を行いました。

  • 工場見学
  • 授業風景

商品のウリは「砂糖不使用チョコレート×グラノーラ」

商品化する企画の1つは、健康食品として人気のグラノーラとチョコレートを組み合わせたものです。チョコレートはその甘さから健康的ではないイメージを持つ人も少なくありませんが、材料について調べてみると、カカオに含まれるポリフェノールには身体に良い効能や、チョコレートの甘さは使用する砂糖で変化することも分かってきました。CSCはこの点に着目し、砂糖不使用チョコレートを使った商品を考案。豊富な食物繊維と満足感のあるグラノーラを組み合わせることで、健康面を気にせず食べられるチョコレート菓子を実現するため、業界に精通したロック製菓から専門的なアドバイスを得ながら、試作を重ねました。味や形状もさることながら、商品として売り出すには、ターゲット、価格、パッケージのデザインなどのマーケティングも重視されます。これには、商経学部と高大連携協定を結ぶ山形県立米沢商業高等学校の協力を得て、商品に反映させました。

  • パッケージ検討
  • シール貼り風景

活動は次のステージへ

こうして完成した商品が『SANUSチョコレート』。SANUS(サーヌス)とは、ラテン語で「健康的な」を意味しています。砂糖は不使用ながら、甘味料のパラチノースでしっかりとした甘さを感じ、また、9種類のフルーツと穀物を配合したグラノーラは細かく砕いて混ぜ合わせたことで、ゴロゴロした感じの少ない食べやすさも特長です。
2016年2月23日には商品発表会を行いました。今後は広報、営業に力を入れて、商品の販売と利益を出すための活動にシフトしていきます。また、会社の設立に向けて、CSCは組織化を進め、営業、商品管理、経理などの5つの部署にメンバーを配置しました。商品開発を学んだ学生たちは、これから販路の開拓と市場への流通、利益の確保への道を探り、実社会同様のビジネスに挑みます。

  • 商品発表会
  • SANUSチョコレート

集合写真

学生の声

有賀 祐太

在学中に学んだこと、とくに経営者による講義を受講したことで、組織のリーダーに必要な知識やスキルを学んだので、それを実践に移したいと思い、このプロジェクトに参加しました。私は代表として、利益を出すためのアイデアを考え、業務を指示することが自分の役目でしたが、はじめは仕事の振り方が分からず、自分で抱え込んでしまうことがありました。マネジメントを分担できず、売上をつくるための時間を確保できなかったので、早くから人材の育成にも取り組むべきだったと思っています。大変なこともたくさんありましたが、この活動はとても有意義なものでした。CSCの商品が利益を出すことが目標ですが、さらに利益を出し続けられる組織にすることをめざしていきたいです。

商経学部経営学科 有賀 祐太(足立新田高校出身)

土肥 玲奈

もともと起業に興味があったので、このプロジェクトを通じてそれを体験したいと思ったことが参加のきっかけです。CSCの活動を通じて、会社の在り方やビジネスマナーを学び、社会に出る前にスキルを高めることをめざす中で、組織では一人ひとりの仲を密にして情報を共有することが大切だということを学びました。未経験のことがほとんどで、やり方が分からなかったり、知識不足を痛感することがありましたが、もっと勉強しなければいけないということにも気づかせてくれました。CSCの力になれるような知識をしっかり身に付けていきたいと思っています。

商経学部経営学科 土肥 玲奈(成田北高校出身)

山本尚輝

このプロジェクトには、会社を作ることから商品開発、製造委託、営業、販売まで一通りの流れを実践できることに魅力を感じました。結成から週に1回集まって、商品案を話し合ってきましたが、知識が身に付いていくたびにアイデアが変化していったことが面白く、その中から商品を2つに絞るのには苦労しました。私は営業と経理を担当しています。今期の決算を黒字で終えられるように営業も資金繰りもしっかり行わなくてはいけません。どんな企業にも営業は必要なので、この活動でその力を身に付けておけば、将来にも役立つと思います。

商経学部商学科 山本尚輝(千葉商科大学付属高校出身)

教員の声

商経学部が連携する企業と高校との繋がりを商品開発に活用することができても、この活動がめざすのは、学生たちが開発した商品でビジネスを行うことです。資金調達や売買取引の実態や、経営諸機能、顧客との関係づくりなどを実体験し、その知識と技能を高めてほしいと思っています。自らやってみることの重要性は経験してこそ分かるもの。CSCの学生たちが「動きながら学び、学びながら動く」ことの大切さを知り、それを後輩へ伝えようとしていた姿は印象に残っています。活動をさらに本格化し、学生起業家として成長することを願っています。

商経学部 経営学科長 長谷川 博

長谷川 博

企業とつくるプロジェクトとは

商経学部では、産学連携や高大連携の取り組みに関連した科目、ゼミナールを履修する学生有志を中心に、企業や高校との共同商品開発や商店街の活性化をめざす活動を行っている。その第1弾として、2015年11月には千葉県立銚子商業高等学校、山崎製パン千葉工場、JA全農ちば、JAちばみどりと共同開発した「四角いメロンパン」を発売した。
CSCの活動は、東京都立第三商業高等学校と連携した事業計画に次ぐ第3弾である。

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