2017.04.10 UP

学部の認知度向上をめざし、学生自ら情報発信

政策情報学部 学生団体 Links

千葉商科大学の正門からまっすぐ伸びたメインストリートの先にそびえ立つ図書館。2016年12月25日、レンガの壁とアーチ型の玄関が特長的なその建物をスクリーンとした、プロジェクションマッピングの上映イベントが開催されました。クリスマスの夜を演出する映像は、政策情報学部の学生団体Links(リンクス)の1年生が取り組んだ初めての作品です。

政策情報学部の学びを広めたい

2013年9月、当時の政策情報学部生6名が立ち上げたLinksは、政策情報学部の広報の一端を担う学部公認の学生団体として、ウェブサイト、ニューズレター、オリジナルグッズなどの企画、制作を積極的に行っています。

「政策情報学部」という名前を聞いて、何を学び、どんな力が身に付くのかを思い浮かべることはできますか。

社会のさまざまな問題を解決するためには、正しい情報を得て問題を分析し、解決策を考え実行する力が必要です。解決策の実行には社会とのコミュニケーションが不可欠で、正しい情報を伝えることが重要な鍵となります。そのため政策情報学部では、ITや表現力を養い、メディアを活用した情報発信力を身に付けます。イラスト、アニメ、音楽などの制作スキルも幅広く学ぶことを特長としていますが、Linksは、このような授業で得た表現の知識とスキルを生かして制作した成果物を自らが発信することで「学生の目線で学部の今を伝えたい」という思いからスタートしました。

新しいことへの挑戦! チャレンジ精神旺盛な1年生

その思いは現在のメンバー14名にもしっかり受け継がれ、学部の学びを伝える活動を続けています。さまざまな活動の中で、2016年度に新たに取り組んだものがプロジェクションマッピングのイベントでした。

企画の立案、制作活動の中心となった高橋伸弥さんと中野智稀さんは、いずれも政策情報学部の1年生。入学から約半年間、Linksの活動に関わる中で3DCGや映像に興味を持ち始めたものの、まだ制作の経験はありませんでした。そんな2人が政策情報学部を社会に知ってもらうために、自分たちも何かやってみたい、今までにない新しいことがしたいと考えたのがプロジェクションマッピングです。

プロジェクションマッピングとは、立体物の形状に合わせて映像を投影する技術です。スクリーンとなるビルなどの建造物の凹凸を生かした光と影、映像の動きによってまるで建物自体が動いたり、変形しているように見せることが可能です。近年、たくさんの人が集まるイベントを盛り上げる演出として人気があることから、地域に公開するイベントとして行えば、政策情報学部を多くの人に知ってもらえるはず!!
2人の思いは知らない世界に挑戦する意欲をかきたてました。イベントの実施を決めたのは10月末のこと。初めての技術と制作、活動を前に学ばなくてはいけないことがたくさんありましたが、開催はクリスマスに設定し、果敢なチャレンジが始まりました。

スクリーンは図書館、建物の形状を生かし季節感を演出する映像づくり

多くの人の興味を引きつけるプロジェクションマッピングの映像は、作品のストーリー、投影する建物も重要な要素です。

Linksでは、クリスマスの季節感と華やかさを演出する映像作品を制作し、スクリーンは本学を象徴する5階建ての図書館にすることを決めました。図書館の大きなアーチ型の玄関も、プロジェクションマッピングではその特長が生かせます。また、映像は絵本をモチーフにストーリーを構成しました。図書館に映し出すのは、絵本を飛び出したクリスマスの物語です。

その制作には、異なる3つのソフトを使用しました。物語に登場する人物の動きは実写映像を加工するため、演者や撮影もすべて自分たちで行います。短期間で3DCGなどの技術習得やプロ仕様のソフトや機材を扱いこなせるようにするため、教員や先輩のもとへ頻繁に足を運び、スキルを身に付けていきました。同時に、主催者としてのイベント運営の準備にも追われ、連日遅くまで作業が続きました。

制作もイベント運営も、やってみることは、自分たちが思った以上の知識や手間、そして万全な準備が不可欠で、「イメージを形にする」ことの難しさに直面することもしばしばありました。そんな毎日でも、学ぶことで広がる世界、できることが増えていく実感が2人の原動力となり、仲間と協力して1つの作品に取り組む楽しさも知りました。

  • 撮影
  • リハーサル

来場者は100名以上! 達成感が次の制作意欲をかきたてる

完成した作品は『White Xmas~聖夜の奇跡~』と題し、アクシデントに見舞われたカップルに起きる奇跡の物語を描きました。

いよいよ迎えた開催日。普段は静かな休日のキャンパスには、プロジェクションマッピングを鑑賞できるとあって、100名を超える人が訪れました。音楽が響き渡り、図書館に投影された映像でキャンパスがパッと明るくなると、次々とシーンや色を変えて物語が展開していきました。華やかさだけでなく、プロジェクションマッピングならではの建物が崩れる演出は盛り上りを見せ、来場者からは大きな拍手と歓声が起きました。

1年生が中心となって開催した本学初のプロジェクションマッピングイベントは大成功! 挑戦したからこそ得られる達成感は、次の制作活動へのモチベーションとなりました。高橋さんと中野さんは今後、Linksの活動として学内情報番組やウェブサイトの制作などに携わりながら、政策情報学部のPRを続けていきます。

Links

学生の声

高橋さん

「表現」に関して全く経験がなく、まずは「知る」ことから始めました。制作にはたくさんの知識と技術が必要でしたが、常にアンテナを張り情報を集めること、自ら積極的に関わっていくことで、自分の世界を広げることができたと思います。私は3DCGに興味があり、この活動から技術の向上をめざしてきました。作品に登場する本や建物のモデリングとアニメーションの制作、図書館に映像を合わせるマッピング作業、当日の投影も私が担当しましたが、実は主人公の男性役も演じています。どんなことも挑戦するって面白い!これからもどんどん経験を積み、自信を持って作品と向き合えるようになりたいです。

政策情報学部 高橋伸弥(一迫商業高校出身)

中野さん

プロジェクションマッピングをやりたいというよりは、自分たちで何か新しいことをやってみたい!ということから、この企画がスタートしました。1年生の私たちには初めてのことばかりで、大変なこともたくさんありましたが、この経験から学んだことは、今すべきことを明確にして行動することだと感じています。当初の予定よりも会議に時間を費やしてしまい、制作に遅れが生じたことは否めません。作品は無事完成しましたが、もっとクオリティにもこだわれたはずなので、この反省を今後の制作活動に生かしていきたいと思います。

政策情報学部 中野智稀(新潟商業高校出身)

担当教員の声

現代には使い手の好奇心をくすぐる簡単で便利なツールがたくさんあります。しかし、自分たちのアイデアを実現しようと思ったら、ツールに頼るだけではなく、それを可能とする技術や理論を学び、何よりも本気で打ち込むこと。それがツールを超えた価値を創造し、多くの人を引きつけるということを知ってほしいと思っていました。彼らの知的好奇心にあふれ、初めて学ぶことに常に驚きと興味を示し、1つ1つのプロセスを経る度に成長していく様子はとても印象に残っています。この挑戦を通じて今後の学生生活における目標や課題も見えてきたと思います。あとは観察力を磨き、行けるところまで突き進んでもらいたいです。

政策情報学部 教授 楜沢 順

楜沢 順 教授

Linksとは

政策情報学部公認の学生団体。学生目線で学部の今を伝えることをめざし、ニューズレターやウェブサイトによる情報発信を行っています。授業と両立しながら、コンテンツの企画・制作・運営をすべて学生が担い、表現に関して自分の興味や関心、将来のめざす業界やキャリアに応じた知識とスキルの獲得に励んでいます。