政策情報学研究科の特色

情報技法を駆使する政策プランナー(高度専門職能人)が育つ-新しい知的創造の場

21世紀の今日、人類は大きな課題をかかえています。それは、自然環境、社会、文化、経済、科学・技術と人間との関わり合いを再調整し、あらためてつくり直す作業です。グローバライゼーションのなかでの民族間、文化間、宗教間の対立と紛争問題も忘れてはなりません。いいかえれば、一方で多様性と異質性のなかに「共生と協同と参加」を確保し、他方で「個別の可能性」を開発する、という課題でもあります。

20世紀の科学・技術は、人類に大きな成果をもたらしましたが、同時にいくつものかつてない難問題を生みだすことになりました。今日の複雑かつ多元的な難問題に有効に対処し、的確な問題解決策(政策)を提案し、実行し、評価するためには、これまでのような専門閉塞型の個別科学をこえた、超領域的(Trans-disciplinary)あるいは諸科学横断的(Cross-disciplinary)な「知と方法」の開発・創造が必要不可欠です。本研究科の母体となる政策情報学部は、この新しい「知と方法」の開発・創造と伝達のために構想され、2000年4月に開設されました。そこでは、2つのリテラシー(基本能力)、つまり「ポリシー・リテラシー」(Policy-literacy)と「メディア・リテラシー」(Media-literacy)の習得を狙いとして、実学的で多彩なカリキュラムが組まれています。

本研究科においては、学部における2つのリテラシーが、さらにヴァージョンアップされ、拡充され、2つのコンピタンス(高度専門能力)へと進化・発展することになります。つまり、「ポリシー・コンピタンス」(Policy-competence)と「コミュニケーション・コンピタンス」(Communication-competence)です。カリキュラムは、2つの高度専門能力を柱として、行政関連系、環境関連系、事業関連系、文化研究系の4つの問題領域にゆるやかに分かれています。それぞれの問題領域において、政策プランナー、政策評価者、プロデューサー、コーディネーター、デザイナー、アーキテクト、コミュニケーション・エキスパートなど、新しいタイプの高度専門職能人を育成するのが狙いです。難問をかかえるさまざまな分野で、今日もっとも求められているのが、以上の2つのコンピタンスを兼ね備えた人材なのです。

そのために、さまざまなカリキュラム上の新しい試みと工夫がこらされています。指導に当たるスタッフたちも、多様、多彩なバックグラウンドをもった学部教授を中心に、学外からも優れた専門家を招いています。
本研究科は、新しい実践的な「知と方法」を開発し、共有するための開かれた場でなければなりません。そのため、学部からの卒業生のみならず、広く社会のさまざまな分野からの参加者を求めています。21世紀型の新しい政策をめぐる「知と方法」は、年齢、性別、分野、国籍を問わず、異質で多様な参加者たちのエキサイティングな対話と協働(コラボレーション)のなかから生みだされていくもの、と信じているからです。新しい「知と方法」の創造に意欲的に取り組もうとする人たちの参加を期待しています。