RSS中小企業支援研究創刊号
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XECUTIVE 市場調査とは?前田 御社の場合、先ほどの工場見学などもそうですが、商品を買ってもらうだけではなく、お客様に雰囲気を楽しんでもらう仕組み作りをされているように拝見致しましたが、この点の工夫はいかがですか。中丸相談役 社員にはよく、マーケティングの基本といわれる市場調査をするなと言います。要するに、売上がいくらになるとか、利益がいくらになるとか、儲かるのかどうかを考えるのではなく、自分がお客様になって楽しいのかどうか、その商品を買いたいと思うのかどうか、そういうところからスタートすることが大事なんだよってことを伝えています。私自身もラフなかっこうでよくお店の中をお客様といっしょにウロウロしてみます。そうするとお客様の生の声をいろいろと聞くことができるんですね。前田 まさに、これこそが目的にかなった市場調査(お客様調査)ですね。中丸相談役 逆にそのような感覚のない人は経営者としては無理だと思います。女性の視点前田 会社が成長していくには、新しく事業展開を行っていくか、1つの業態をチェーン展開していくのが大半だと思いますが、中小企業が事業を多角化していくには限界があると思います。その点をどのように克服してきたのでしょうか。中丸相談役 事業のスタートは素人集団です。しかし、私は素人に出来ないものはないと思っています。そのような意味で現社長の力は非常に大きいです。女性の目線で見ることで男性には気がつかないことはたくさんあります。前田 やはり、女性の目線が大事なのでしょうか。中丸社長 そうですね。お客様の目線で見ることはとても大事ですね。ほとんどのお客様は、主婦の方や女性ですし、買い物の決定権は女性ですからね。前田 そうですね。最近では、マイホーム購入の決定権なども奥さんにあるというケースは珍しくないそうですね。ですが、女性の気持ちを掴むのは難しくないですか。中丸社長 自分がお客様だったらと言う気持ちで好きなものを選んでみます。味覚なども同じですね。ですから自分で買いたいなぁと思うものを仕入れてみたりします。お客様の立場で見た時、この商品は買いたいとか買いたくないとかという感覚は大事ですね。中丸相談役 調査のマジックというものがあって、調査の結果8割の人がこの商品いいよねって思っていても、買ってもらわないとだめですが、私がいいと思って買う商品があれば、それは売れます。なぜかというと買う人がいるからです。経営も、この商品いいよねって思っているだけで買わない8割の層を狙うと失敗する可能性がありますが、一人でも買う人がいる層を狙うべきだと思います。今後の事業展開について前田 御社のこれからの事業展開などについてもお聞かせ願えますか。中丸相談役 北杜市の指定管理者として温泉施設の運営管理を行う予定です。ちょうど、当社のハイジの村のすぐ近くにあるので、一体としてお客様に楽しんでいただけると思っています。温泉と10室ほどの宿泊施設がありますから、遊んで、温泉に入って、泊っていただくという相乗効果を期待しています。前田 ちょうど、御社の経営理念(伝統に安住せず、常に新しい「美味しさ」、「楽しさ」、「美しさ」、そして「健康」を追求する)にピッタリですね。写真左=桔梗信玄餅包装体験、写真右=工場内製造工程24中小企業支援研究

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