RSS中小企業支援研究創刊号

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47中小企業支援研究 Vol.13.5.-1 質問調査票(1)質問調査票の主な内容質問調査票は、大きくは、四つの項目からなっている。最初の大項目は、企業属性に関する内容となっており、二つ目は、社長の個人属性に関する内容となっている。三つ目は、前述した変革型リーダーシップを測定する内容となっている(表1)。最後の大項目は、自由記入式となっており、定性情報を収集するための内容で構成されている。(2)Multifactor Leadership Questionnaireの構成Bass & Avolio (1995) らによって開発されたMultifactor Leadership Questionnaire(MLQ 5-X Short Form)を参照し、質問調査票を作成した。このMLQ 5-X Short Form(以下、MLQ)は、社長の変革型リーダーシップのレベルを数値的に測定する尺度である。このMLQは、「カリスマ(Attributed Charisma )」、「理想的影響行動 (Idealized Influence) 」、「鼓舞する動機付け (Inspiration motivation) 」、「知的刺激 (Intellectual stimulation) 」、「個別的配慮 (Individualized consideration) 」の五つの下位尺度から構成されており、下位尺度は各4項目で合計20項目となっている。「カリスマ」は、「他者から尊敬を得られるように行動している」、「自分がパワーと自信に満ち溢れていることを示している」などの質問項目から構成されている。「理想的影響行動」は、「最も大事にしている価値観や信念について語る」、「私は、ある意思決定をするにあたって、道徳的・倫理的な結果を考えにいれている」などの項目で構成される。「鼓舞する動機付け」は、「達成すべき事について、熱心に語る」、「将来についての説得力あるビジョンを明確に示す」などである。「知的刺激」は、「習慣や当たり前に思っている事が本当にそうなのかどうか、問い直している」、「問題解決の際に、様々な視点で考える」などがある。「個別的配慮」は、「相手を尊重した指導やコーチングに時間を割く」、「私は、他者の強みを作り上げるよう、支援する」といった質問項目から構成されている。この20項目の質問は、リッカート5件法による5段階評定10とした。(3)質問調査票の回収最終的に質問調査票の返信があり、回収できたのは、89社中37社であった(回収率41.6%)。その内、有効回答数は、35社(39.3%)であった。回収した37社中10社からはFAXでの返信で、残りの27社については全て郵送による返信であった。3.5.-2 企業成長力の算出企業成長力は、調査対象企業の有価証券報告書に記載されている財務諸表より得られたデータを基に売上成長力と営業利益成長力、経常利益成長力の総合ポイントとして合算して算出した。売上成長力と営業利益成長力、経常利益成長力は、各企業が上場した年から2005年12月決算までを対象として算出した。また、売上と営業利益、経常利益の三つの成長力は、上場した年から2005年度決算期までの対前年度比の成長率を算出した。そして、ここから得られた成長率を100倍してポイント化し、成長力を導き出した。3.6 仮説構築社長のリーダーシップと企業成長力との関係性を明らかにするために、先行研究で取り上げた変革型リーダーシップ理論に基づいた仮説を構築した。また、この仮説の検証結果からマザーズ市場で求められる社長のリーダーシップについて検討し、示唆した。尚、以下に、本研究の仮説を提示し、最後に、本研究の目的とリサーチ・クエスチョン、仮説、定量分析の対応表(表2)を示す。変数次元質問調査票NO.独立変数変革的リーダーシップTotalスコアⅢ.1-20カリスマⅢ.1-20理想的影響行動Ⅲ.1-20鼓舞する動機付けⅢ.1-20知的刺激Ⅲ.1-20個別的配慮Ⅲ.1-20従属変数企業成長力総合ポイント有価証券報告書売上成長力有価証券報告書営業利益成長力有価証券報告書経常利益成長力有価証券報告書統制変数企業属性業種有価証券報告書設立年数有価証券報告書社員数有価証券報告書社長の個人属性年齢有価証券報告書勤続期間Ⅱ.3社長在任期間有価証券報告書社長歴代数Ⅱ.7株主順位有価証券報告書持株比率有価証券報告書学歴Ⅱ.10職歴Ⅱ,11表 1 各変数・次元・質問調査票No.対応表10 年間を通じた行動が、「0:全く無い→1:まれにある(20%程度)→2:時々ある(40%程度)→3:しばしばある(60%程度)→4:ほとんどいつも(80%以上)」出所:佐竹恒彦(2009)P.158の表から抜粋

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