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繋げる伝道師でいる」ことである。基本的には蔵元は酒の直接販売はできないので、「酒舗まさるや」がその酒をプロデュースする、情報発信する仕事をしていきたい。さらに「地域貢献・社会貢献できる酒屋である」こと。せっかく町田市の鶴川団地で商売をさせていただいているのだから、できる限り地域に根差した“街の酒屋”であり続けたい。最後になるがなかなか面と向かって「ありがとう」と言う機会はないが、社長にはとても感謝している。これからも「企業ではなく家業」であり、「信頼される街の酒屋一筋!」の想いを大事にして次世代にも繋いでいけるよう努めて参りたいと思う。質疑応答質問1:園部様へ、人材育成に力を入れられているということですが、費用はどうされているのか?園部:弊社スタッフの人材育成費用や飲食店スタッフの人材育成費用は、弊社が負担している。飲食店に対しては「蔵元に行くと御社オリジナルのお酒を作ってくれるかも、こんな良いことがあるかも知れないよ!」と誘い文句を交えながら、とにかく興味を持ってもらうことが大事。店舗での酒の試飲の勉強会であれば一日数万円で済むことだが、飲食店が鹿児島や北海道の蔵元を訪問するとなったら2日休業で売上60万円を捨てるようなものと捉えられることもある。その際には「その分の費用は将来必ず返ってくるもので費用対効果は必ずある」と私からしっかり説明して理解をいただいている。質問2:大山様へ、講演中に紹介のあった「事業承継支援マニュアル」(緑の本)※1と「事業価値を高める経営レポート(知的資産経営報告書)作成マニュアル改訂版」(赤い本)※3の入手方法は?大山:中小機構のホームページからダウンロード、もしくは冊子で希望される場合は資料請求ページに入力いただくと無償で送付されて入手いただける。質問3:大山様、魚路様、園部様へ、今までは成功事例の話をされる機会が多かったと思うが、できれば失敗事例の話があれば教えていただきたい。大山:「ジュピター・コンサルティング」という個人の立場で関わっていることだが、失敗というかもっとうまくいくはずなのにと考えられる会社は、経営理念や夢がない会社。経営者だけでなく従業員にも夢がない会社は、おそらく今後5年10年で衰退するだろう。夢がある会社は将来どうしていこうと経営者も後継者も従業員も皆が考えるが、夢がない会社は自分が何をしているのか分からない、自分が取扱っているものに対して好奇心や愛着心が湧かない状況で淡々と仕事をする状況に陥ってしまい、それ以上業績や人材が伸びない。経営理念や夢を持つことはとても大事である。魚路:金融機関の立場から「競争原理」における失敗は当然ある。また事例において、とくに創業者は自ら創業した会社への思い入れが非常に強く、まだ自分は元気だと事業承継を先送りする傾向もある。例えばあるセミナーに出席された土木建築会社の経営者(後継者の息子あり)が1年後に「困ったよ、息子が継いでくれない!」と話されていた。コミュニケーション不足もあろうが、現在の従業員は創業した経営者の従業員であって後継者の従業員ではない。業種柄、年上の従業員との関係で後継者は会社における“立ち位置”をよく理解しており「自分にはできない…」と諦めてしまう。このようなケースは最近多くなってきている。園部:後継者の立場から先述した「勝手な勘違い」により、様々な方々とお会いする時「“酒舗まさるや”の息子で専務だよ!」と自分は“偉い”と思い違いをしていることがあった。そのことで取引きがなくなった蔵元が何件かあり、社長がせっかく頑張ってやってきたことに対して社長の顔に泥を塗ってしまったという失敗事例があった。質問4:魚路様へ、私はもうすぐ70歳になる経営者でそろそろ後継を考えているが、「7つの視点」のうちの“経営者保証制度”について今一度説明を願いたい。魚路:現在企業が銀行から融資を受ける時は、だいたい経営者(代表取締役社長)が連帯保証をする。そ質疑応答で熱心に質問する参加者14中小企業支援研究

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