RSS3
29/66

INTERVIEW長に望むことは、どのようなことですか?高尾社長 私は会社の規模拡大という目標と夢(どの程度にするといった明確な目標はありませんでしたが)を捨てずに今日まで来ました。その間色々な事がありましたが、売上高が30億円、従業員も100人を超えた今、一応の目標は達成したかと思っています。後継者は私と同じ立場の長男です。今後会社のトップとなるからには「自分の目標・夢」をきちんと描いて、それに向かって全社員を引っ張って欲しいと考えています。そのためには、強力なリーダーシップを発揮しなければならないと思っています。 5年後10年後の会社の姿を考えて、1・2年の短期の事業計画とその実行は部下にまかせて、長期スパンで会社の姿を描き、社員に提示できるトップになってもらいたいと思います。そして、時にはワンマンでも、従業員の意見を聞きながら、間違った方向に向かわなければ良いと思っています。その為には外部専門家を活用して、当社を見てもらう中で、客観的な視点から様々な意見を貰い、判断し、決断することが大事だと考えています。 今後、どの様な道を選ぶのかは判りませんが、私も社長交代から4・5年は、誤った方向に向かわない様に側面からアドバイスしながら応援する考えです。インタビュー後記■経営会議に参加していた幹部に「なぜ、高尾工業が受注できているのか」という質問を行った。その回答は、次の通りであった。①長年の取引を通じた深い(強い)企業と企業、人と人の結び付き、それに基づく信頼があること②技術面での対応が良く客先の要望に迅速に対応すること(品質改良への対応が早いこと)③短納期への対応と納期遅れがないこと④中堅幹部がしっかりしていると評価されていること 高尾社長は、「特筆する固有技術」はないと話されていたが、上記のように技術に裏付けされた能力を有している。また、経営幹部がしっかりとその点を認識している。ここに、当社の強みが表れている。■当社は設備更新等にも力を入れている。ものづくり補助金なども採択されており、技術・技能の維持向上だけでなく、生産性の向上のための取組みも実施している。もっとも、新しい設備の機能が高いこともあり、従業員がカスタマイズや微妙な調整ができなくなってしまうことを副社長は危惧していた。■会社概要会社名…………高尾工業株式会社本社……………常総市杉山1166資本金…………7150万円創業……………昭和32年1月会社設立………昭和36年5月事業内…………輸送用機器、建設機器、農業機械等に使用される部品の精密加工及び組立年商……………30.9億円(2015年1月期)従業員…………134名(2015年8月現在)代表取締役……高尾政樹主要取引先……芦穂崎工業(株)、エトー(株)、(株)クボタ、(株)コマツ、ヤマト特殊鋼(株)■エコステージ1(2009年)認証取得(※)■中小規模事業場労働安全衛生評価事業登録(2014年)※2016年にエコステージ2へ※2016年2月に社長は会長に、副社長が社長に就任ものづくり補助金の採択で更新した検査機器俗人的な技能を要する溶接作業■インタビュア村山 賢誌 …千葉商科大学経済研究所客員研究員 中小企業診断士(ITマネジメントセンター代表)27中小企業支援研究 Vol.3

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 29

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です