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教育審議会答申(平成20年1月)において、職業に関する各教科・科目の改善が図られたことが挙げられる。そこには、職業に関する各教科・科目では将来の地域産業を担う人材の育成という観点から、地域産業や地域社会との連携・交流を通じた実践的教育、外部人材を活用した授業等を充実させ、実践力、コミュニケーション能力、社会への適応能力等の育成を図るとともに、地域産業や地域社会への理解と貢献の意識を深めること、と書かれてある。特に教科商業科では、地域産業の振興方策の考案・提案するための活動を行うことが目標の一つであり、地域産業活性化の一翼を担う人材育成が国から求められている。また、地域活性化を教育に求めることについては、国だけでなく地域も求めている。内閣府がおこなった「地方再生に関する特別世論調査」によると、地域が元気になるために期待する施策として「地域の人材を育成するための特色ある教育の充実」をあげる割合は、23.6%(平成17年)から40.1%(平成19年)に増加している。正に、地域活性化を図るためには教育をもって人材育成していくことが必要であると、地域は考えていることがわかる。このような状況を反映してか、近年商業高校など教科商業科を学ぶ学校では、地域と協働でさまざまな実践的教育活動を数多くおこなっている。(図表2参照)ここで着目したいのは、おこなわれている教育活動のほとんどがその地域の特徴である特産物などを生かした取り組み、つまり「地方創生」を行っているということになる。図表2 商業高校等で行われている実践的教育活動例実践的教育活動学 校 名名  称内  容模擬株式会社等の経営岩手県立宮古商業高等学校宮商デパート商品販売東京都立荒川商業高等学校レガロ工房デザイン企画石川県金沢商業高等学校金商ライフポート商品の企画・販売販売実習(店舗経営)長野県長野商業高等学校長商デパート市場調査、商品開発、仕入、販売広島県立呉商業高等学校呉商フェスタ仕入先企業との取引那珂川町立福岡女子商業高等学校女子商マルシェ商品計画、仕入、販売、経理販売促進北海道札幌東商業高等学校リボンナポリンポッカサッポロ北海道と連携し、既存商品の販売促進電子商取引佐賀県立佐賀商業高等学校さが学美舎インターネットを利用したショッピングモールの構築、運営商品開発宮城県大河原商業高等学校カルビーポテトチップス大河原の梅味カルビーと連携し、店頭販売愛知県立愛知商業高等学校ふんわり抹茶小豆サンドコンビニエンスストアとの共同開発観光山梨県立塩山高等学校地域観光マップマップ作成、公共機関で配布京都府網野高等学校網野への日帰り旅行旅行の企画(販売は京都府立京都すばる高等学校が担当)33中小企業支援研究 Vol.3

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