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調査報告このように商業教育は、地域産業の人材育成を行うと同時に、実践的教育活動を行うことで地域活性化を促し、地方に大きく貢献しているといえる。このことを前提に、勝浦市において地域活性化策の提案・実践を行った。2.勝浦市活性化への提案・実践「域学連携」という考え方が地域及び大学に浸透しつつある。「域学連携」とは、「大学生と大学教員が地域の現場に入り、地域の住民やNPO等とともに、地域の課題解決又は地域づくりに継続的に取り組み、地域の活性化及び地域の人材育成に資する活動」である。平成24年段階では、この試みを地方公共団体の4割が実施している。これにより、地域活性化が促されるだけでなく、大学に集積するさまざまな知識・技術等や地域で不足する大学生(若者)の力を活用することができる。勝浦市で活動した学生たちは全員、教科商業科の教員を目指す卵たちである。大学生としての目線だけでなく、商業教育の目線から考え、さまざまな活動を行った。(1)キッズビジネスタウンかつうらキッズビジネスタウンかつうらは、「子どもたちでつくる 子どもたちの街」という趣旨のもと、小学生が街の一員として働くことで、街そのものを運営し、実社会やビジネスのしくみを学ぶ取り組みである。本学で14年前から実施している教育イベント「キッズビジネスタウンいちかわ」をベースに勝浦市の実態に合わせ企画、実施された。キッズビジネスタウンは商業に携わる人材を育成するというその教育的効果から全国の商業高校などで実施されている。(図表3参照)結果としては、子どもたちや保護者の評判も高く、対外的には成功を収めたといえる。しかし、朝市に関係する方々とのコミュニケーションが不足するなど、課題も多く生み出した。(2) 地元住民との意見交換会勝浦市活性化策の意見交換のため、地元住民と本学大学生によるワークショップを行った。ブレインストーミングやKJ法などの手法を用い、勝浦市の現状と課題を把握するとともに、今後の目指すべき図表3 キッズビジネスタウン実施校(一部抜粋)都道府県政令市名実施学校名タウンの名称北海道北海道留萌千望高等学校キッズビジネスタウン秋田県秋田市立秋田商業高等学校キッズビジネスタウン千葉県千葉県立東金商業高等学校とうしょうキッズモール神奈川県神奈川県立平塚商業高等学校キッズビジネスタウンひらつか新潟県新潟県立新発田商業高等学校キッズビジネスタウンしばた長野県長野県諏訪実業高等学校キッズビジネスタウンすわ愛知県愛知県立中川商業高等学校キッズビジネスタウンあいち三重県三重県立四日市商業高等学校キッズビジネスタウンみえ岡山県玉野市立玉野商業高等学校キッズビジネスタウンたまの広島県広島県立広島商業高等学校ほかキッズタウンもとまち鹿児島県鹿児島県立川内商工高等学校キッズビジネスタウンせんだい34中小企業支援研究

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