中小企業支援研究No4
28/56

XECUTIVE のようにお客様のニーズをとらえ、行動に移していくのかを重視した点は大切ですね。廣井 店舗の地階でエステを強化し、有料メニューにしました。初めての方にはお試し券も差し上げています。従業員にもモチベーションとなるインセンティブを考え、成果の発表と管理に「夢をもってあたってもらう」ように言っています。専門店がやるエステをしっかりやりたいと思います。前田 社長が現場にいなくても動くシステムが出来上がりましたね。廣井 これからだと思いますが、お客様から「あの子は脂がのっているね」などと従業員を褒めていただくことも多くなりました。前田 エステルームには白日展にまで出展される奥様の絵画がありましたが、店舗でも奥様の貢献が大きいですね。廣井 常務として全体をきめ細かく配慮してまとめてくれています。感謝しています。私たちと従業員4人と派遣店員3人にアルバイト2人が全員体制で頑張っています。前田 化粧品店では珍しい、頼りになる人材がいる、強い企業組織が出来上がっていますね。次世代への期待 前田 化粧品業界のリーダーとしても3代にわたって「女性をより美しくする事業」に深く関わり、ご自身では事業から得た収益を活用して、次の時代の存続・成長・発展につながる老舗の革新を継続してこられました。この御社の魅力を次の時代にどのように継承していかれる予定ですか。廣井 娘が一人おりますが、外資系会社に勤め英語が好きです。本社ビルで新たな事業を経営に加えてくれるかもしれません。従業員の中からも娘と一緒にやりたいと言ってくれる人がいます。経営と営業は違いますので、そのあたりを調整しながら、娘と従業員の希望するような革新をしながら事業をつないでいってくれればと思います。前田 3代にわたって革新を続けてきた御社を、今度はグローバルな情報力を持った若い新たな組織形態と新事業で革新していかれるかもしれませんね。廣井 横浜の人は昔から新しいものが好きですから新しい商品、新しい事業にも目を向けていくことは大切なことと思っています。前田 商いの心,経営の哲学をしっかりして、美を提供する技術を売るだけでなく、お客様や従業員とコミュニケーションを活発にとりながら進めていくことで、地域に必要な店として老舗が永続していくことになるのかもしれません。本日はありがとうございました。廣井社長を支える崇子夫人と地階で展開するエステ部門は経営の大きな柱に■会社概要企業名…………株式会社白牡丹代表者…………廣井晴雄氏(76才)所在地…………神奈川県横浜市中区伊勢佐木町2-86資本金…………10百万円創業……………1901年(明治29年)5月東京銀座白牡丹横浜        支店として吉田町にて創業        (2007年6月 株式会社白牡丹に社名変更)業種……………化粧品販売業(コスメ&エステ)および不動産        賃貸サービス業取扱商品………化粧品、洋品、アクセサリー、ウイッグ、たばこ、        雑貨、シェービングエステ営業時間………10:30~20:00年商……………化粧品部門(約150百万円)、不動産部門          (約50百万円)社員数…………化粧品部門7人(内家族2人)■インタビュア前田 進……千葉商科大学商学研究科客員教授26中小企業支援研究

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 28

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です