中小企業支援研究No4
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③計画の目標②で求められる付加価値額などの年間3%の伸び率の確保にあたり、その計算根拠の明示が求められる。そして、設定された目標数値達成の実現可能性などが審査される。④経営革新のテーマ前述の①から③の実現に向けて、取組む内容を簡潔に記述する(テーマを明確にする)ことが必要である。(2)支援における専門家のかかわり計画の作成は当事者である事業者単独でも可能だが、専門家が支援する機会も少なくない。①事業者への助言専門家は、事業者との意見交換や助言を通じて、計画作成における事業者の考えの整理や取組みの妥当性、申請書書式にあわせた2申請内容充実への助言を行う。②事業者と支援機関との仲介計画作成の進行とともに、支援機関の担当者と打合せを行い、内容の確認を受ける。支援機関とのやり取りを基に事業者と打合せをすすめて申請内容のブラッシュアップを行い、審査会提出レベルまで支援を行う3。2 支援事例(1)支援例:茶誠堂(和菓子製造・卸 能代市、      代表:梶原芳一、営業:梶原啓子①経営革新のテーマ『北限の茶である檜山茶を自家生産し、手揉の技術で品質の向上を図るとともに、茶葉の粉体化により使用用途や商品への応用範囲を広げることで経営革新を実現します。』②経営革新計画に取組んだ理由北限のお茶を残したいという思いを他者に理解してもらいたい4、自店菓子製造工場の老朽化に対して工場移転と設備購入等のための融資(への理解)を得たい、そして、茶畑の確保と茶樹植栽の準備のた2 経営革新計画書の書式は求められる形式がある。また、損益計画では営業利益を除くなどの通常の損益の表記と異なる点があり事業者単独では作成が難しく助言者がいることは有効である。3 東京都では申請する事業者数も多いため、特定の支援機関(振興公社、東京商工会議所、商工会連合会)が事業者に代わって審査会でプレゼンを行うため、この支援機関の担当者と打合せを通じて審査会提出レベルまで申請内容の充実を図ることになる。また、県によっては事業者自らプレゼンを行い、県の支援担当者は審査での支援を担うため、審査会提出レベルに至っているかの確認を県支援担当者と行うことになる。この審査会レベルに至るまで専門家は事業者に助言をすることになる。この際、県等の担当者から直接記述内容についての指摘を受け、それに基づき事業者と申請内容の充実を図る場合もある。4 現在、檜山茶の生産者は2人であり生産量も少ない。また、生産者の高齢化も進んでおり生産の承継も難しくなりつつある。この構想については市や信用保証協会、政策金融公庫の担当者等に話をしていたが、なかなか理解が進まなかった、という思いを持っていた。茶誠堂・梶原啓子さん(ファン・アキタのサイトより)41中小企業支援研究 Vol.4

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