中小企業支援研究No4
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事例報告めの資金調達をしたいという想いを実現することが取組みの理由である。③事業者が持っていた経営基盤と支援理由支援の第一の理由は、経営者の前向きな姿勢である。第二に、一定の経営基盤(業歴が50年を越え、大手流通事業者を取引先としていたこと)があったこと、取組みにおいて希少価値がある素材(檜山茶)があり(この他に、茶畑用地の入手可能性、菊芋粉の入手が可能であった)、加えて新商品の製造を担う人(従業員)がいたことから商品開発の実現可能性が高いと考えられたこと、そして、夫婦で地域活動5に積極的に取組んでおり(このため地域の支援者に広がりをもっていた)、地域の活性化に貢献したいという強い思いを持っていたことが支援理由である。当社は平成28年8月に計画が承認された。また、同年12月時点で、地元金融機関からの資金調達、新工場の契約、茶畑用地の確保が終了しており、平成29年春に新工場は稼働予定である。(2)支援例:ジュレ 株式会社(gelee Inc.)      デザイン業 安達信吉代表取締役http://gelee.jimdo.com/about-us/access/創業(設立)2011年9月当社は、東京商工会議所新宿支部の小林達人経営指導員が会員訪問の中でニーズを発掘したことが、経営革新計画の申請(平成28年8月承認)に結び付いた。①経営革新のテーマ『インターネットを介した、デザイン作成と商標・意匠登録をワンストップ提供するサービスによる経営革新』②支援理由と支援内容経営者は経営革新計画に取組みたいという要望をもっており、経営基盤(デザイン技術:数多くの入賞経験)を持ち、取組みにおいて素材(人的なネットワーク:多くのクリエイターとの交流や弁理士との協力関係)を有していたことが支援に至った理由である。具体的な支援内容は、取組みについての構想の整理(当初はシャア・オフィスの展開での申請を構想していたが、聞き取りを通じてインターネットを介しての商標ロゴ・デザインの作成、商標の登録のワンストップ・サービスの提供での申請を提案した)、申請書作成の支援(記述形式の紹介、数値算出方法の助言)である。申請書のたたき台の作成まで支援しその後、東京商工会議所の支部を通じて本部の担当者に引き継いだ支援例である。(※)(3)支援例:有限会社オーチャードハウス       ペンション業 出口利春代表取締役http://www.orchardhouse.jp/創業:昭和61年3月当社が立地する北杜市清里地区は観光客の入込数が減少(ただし、平成27年度の外国人観光客の入込数は04%増)し、閉店する商業者もみられるなど厳しい環境に置かれている。そのような状況下で、打開策の一つとして、インバウンド需要(特に台湾など)の取込みへの努力が続けられている。①経営革新のテーマ 『専門事業者等と連携した体験企画の提供(提案)による外国人客連泊客増加獲得』②支援理由と支援内容事業継続に向けた前向きな姿勢と優れた経営基盤(“じゃらん”のクチコミ総合評価が4.9)があり、事業継承(長男とその家族への)に対する意思をもって5 北限のお茶檜山茶保存会が組成されており、その中心メンバーとして茶摘み、茶もみ、和紅茶づくりの体験などの実施に積極的に協力していた。さらに、希少茶の維持活動に賛同した茶製造・販売者など支援者を確保(茶生産者、手もみ技術者等々)に結び付いていた。その中に、地元能代商工会議所があり、担当した佐藤慶仁主任経営指導員の積極的な協力・支援を受けることができた。(※) 東京商工会議所本部はこの後申請者と複数回の申請内容修正・追加等の打合せを行っている。ジュレ 株式会社・安達社長有限会社オーチャードハウス・出口社長夫妻当社ホームページより42中小企業支援研究

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