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はじめにテレビ朝日「激レアさんを連れてきた。」的なラベリングで恐縮であるが、2018年9月15日(土)、千葉商科大学創立90周年記念事業の一環として開催された「CUC社長サミット」で出会った社長を紹介したい。サミット開始直前に会場入りした筆者が着席し汗を拭っていると、隣に着座していた方より自己紹介のご挨拶を頂いた。礼儀をわきまえた話し方と人当たりの良い笑顔が印象的で、会社名と業務内容を手持ちのタブレットを示して説明してくれた。これが今回紹介する山梨 周(やまなし しゅう)社長(以下山梨)との出会いであった。2代目社長かと思ったが、自己紹介を頂いたときに「学生時代から社長になると決めていた」という前向きな言葉と「日本の事業承継の問題に関わった社長就任のストーリー」に「治道家2」の育成を人間形成の基本理念としている千葉商科大学が1,300人以上の社長を生み出している根源を見たような気がした。1.日本の企業数と事業承継の現状日本の企業数は2009年から2014年の5年間で420万者から381万者に減少した(図表1)。その内訳は、小規模企業が41万者の減少、中規模企業が2万者の増加、大企業は横這いであり、圧倒的に小規模企業が大きく減少している。中小企業診断士として経営者と話す機会は多いが、経営者の高齢化が進む状況下であっても事業承継を経営課題として認識している経営者は極めて少ない。この状況は「1995年の経営者年齢のピークが47歳であったのに対してNTERVIEWNTERVIEWNTERVIEW社長プロフィール社長山梨周(やまなししゅう)氏は1994年にエスアールジータカミヤ㈱1(以下SRGタカミヤ)に新卒で就職し、2014年にSRGタカミヤが協力会社であるアサヒ工業㈱の全株式を取得後に同社に出向して代表取締役社長に就任した。2年後の2016年にはSRGタカミヤのグループ会社である㈱SNビルテック・大阪支店との営業統合を行い業容の拡大を図ると同時に、社名を「株式会社ネクステック」と改めた。この社名には、提案力、技術力をさらに磨き、次世代の商品(工法)開発へと繋げていきたいという思いが込められている。(ネクステック社ホームページより抜粋)山梨 周社長経営者インタビュー(事例研究編)【株式会社ネクステック】望まれたM&Aで事業承継を成し遂げた関係創造型の治道家社長1 足場や型枠などの仮設機材のレンタル・販売・施工を主な事業とし、国内のみならずアジアにも展開している東証一部上場企業。2 大局的見地に立ち、時代の変化を捉え、社会の諸問題を解決する高い倫理観を備えた指導者。図表1 規模別企業数の推移出所:2018年中小企業白書を筆者加工25中小企業支援研究 Vol.6

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