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TopicsTopicsTトピックスopicsトピックスopics中小機構インキュベーション事業~東大柏ベンチャープラザ~の取り組み29中小企業支援研究 Vol.6<がんの早期発見に挑むベンチャー企業>昨年12月、テレビ東京「ガイアの夜明け」で、がんの一次スクリーニングに取り組むベンチャー企業が特集された。そこで大きく取り上げられたベンチャー企業は、中小企業基盤整備機構(以下、中小機構という。)が運営するインキュベーション施設である東大柏ベンチャープラザに入居している「㈱HIROTSUバイオサイエンス」だ。同社は、体長わずか1ミリの線虫の特性である匂いセンサーに着目し、それをがんの早期発見に繋げようとしている。東大柏ベンチャープラザ内にある当社の中央研究所では、がんスクリーニング検査『N-NOSE』の効率化を研究開発するとともに、がん種特定、ステージ判定をするための研究開発も行なっている。私たちが自身のがんを発見するには検査が必要だが、時間やコストがかかる、人によっては痛みを伴う等億劫な面もある。しかし、同社の方法は、受検者の尿一滴を使用し線虫で判定を可能にするというもので、まさに低コストで痛みを伴わないがん判定である。また、早期がんの検出ができるというメリットもある。ステージ1期で発見できれば、10年後生存率は80.6%(国立がん研究センター出所)と言われており、早期実用化が望まれる。㈱HIROTSUバイオサイエンスでは2020年の実用化を目指している。<中小企業基盤整備機構>中小機構は、日本の中小企業政策の総合的かつ中核的な実施機関として、全国の中小企業への支援をトータルで行う経済産業省所管の独立行政法人だ。全国9ヶ所の地域本部を拠点として、起業・創業期から成長期、熟成期と企業が成長していく中で、生産性向上や事業承継など様々な課題を抱える中小企業に対して、販路開拓、海外展開、人材育成、事業引継ぎ、その他経営面での助言、情報提供、並びに共済制度、ファンドを通じた資金提供など多様な支援を実施している。最近ではAIなどを活用した相談・情報提供、国内外の販路拡大にむけたオンラインマッチングなどにも力を入れている。<インキュベーション事業>起業・創業支援のひとつとして、全国29か所にインキュベーション施設を設置し、ベンチャー企業や第二創業の事業化支援を展開している。現在、500社以上の企業の皆様に入居いただいており、その業種は、医薬・バイオ・アグリ系32%、電子・機械関連32%、情報・通信関係16%(2018年3月時点)と様々であるが、中小機構のなかでも、これほど医療・バイオ系企業を支援している事業は他になわずか体長1ミリの線虫「C. elegans」2019年1月よりロゴを一新独立行政法人中小企業基盤整備機構 関東本部地域振興部 支援拠点サポート課 課長代理佐本 由紀子

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