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トピックス31中小企業支援研究 Vol.6東京大学柏キャンパスでは『つくば-柏-本郷イノベーションコリドー構想』に沿った、産総研人工知能グローバル拠点や産学官連携施設などの柏Ⅱキャンパス整備計画が進み、また、国立がん研究センター東病院では、革新的な医療機器開発を推進するためのNEXT医療機器開発センターを開設するなど、イノベーションの創出に向けた動きも活発化している。東大柏ベンチャープラザでは、これまで、入居企業や地域企業の支援を業務の中核に据え、産学連携・大企業連携・医工連携などを実施してきたが、最近ではこれらに加えて、地域におけるイノベーション活動の活性化と新産業創造の動きに寄与することを目指す新たな取組みも行っている。2018年からは、国立がん研究センター東病院、TXアントレプレナーパートナーズ、三井不動産と連携し、医療機器分野でのベンチャー・エコシステムの構築を目指す取組みを開始した。ベンチャー・エコシステムとは、米国のシリコンバレーで見られるような、地域の起業家・起業支援者・大企業・研究機関・金融機関・公的機関などが連携してベンチャーを輩出することで優れた人材・技術・資金を呼び込み発展を続ける仕組みをいう。この取組みを契機に、最先端の医療提供を目指す医療機関と革新的な技術シーズを持つベンチャーとが出会い、事業化に向けた複数の共同研究・共同開発が始まろうとしている。今後は、引き続き出会いを促進するとともに、関係機関と連携して事業化の成功事例を創出し、更なる発展に寄与する好循環の実現に努めていく。併せて、医療機器だけでなく、創薬を含むライフサイエンス全般や、AI/IoT、新素材など、地域の大学や研究機関が強みを有する技術領域へと、ベンチャー輩出に向けた地域連携を拡充することを視野に入れている。このような地域の取組みに積極的に参画することで、入居企業のビジネスチャンスの拡充とインキュベーション施設としての魅力向上にも貢献できるものと考えている。<最後に>東大柏ベンチャープラザでは、平成28年度より千葉商科大学商経学部の経営診断ゼミの受け入れを行なっている。学んでいるのは、未来の経営者候補や中小企業診断士を目指す学生たちであり、楽しみにしている出会いのひとつだ。今回、そのご縁で執筆の機会をいただいたことに感謝を申し上げたい。時代の変化は早く、経営者だけでなく支援する側も先を読む力が求められている。また、成長が見込まれる企業は、自社で動かなくとも支援者側から支援の申し出がくる時代である。柏の葉地区をはじめとする日本の活性化のため、そして、企業や地域の皆様から必要とされるよう、支援者である私たちも日々成長し業務に取り組んでいきたい。「メディカルデバイスイノベーションin柏の葉」交流会千葉商科大学経営診断ゼミ受け入れ

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