2019_RSS webbook
36/64

34中小企業支援研究⑵ 創業支援商工会の創業支援として、創業塾の実施や商売繁盛窓口事業に伴う専門家相談、創業に当たっての課題解決のための伴走型支援等を行っている。個別商工会が前面にたって創業支援を実施しているが、創業者にとっては創業地の選択は広域にわたって検討すると考えられるため、経営発達支援計画のブロック単位で創業支援の周知を行うことにより、商工会組織の強みである集客面スケールメリットを活かす方法を考えておく必要があろう。(3)事業承継支援事業承継支援については、以下の取組みを実施している。①  地域の小規模事業者に対して、後継者候補が事業を継ぎたくなるような事業に磨き上げる支援を実施している。②  青年部※等で事業の承継に向けての研鑽を支援する。③  事業承継対策の必要性の啓蒙活動及び、千葉県産業振興センターが実施している事業承継アンケートを通じ事業承継への取組みが必要であることの気づきを促す。④  事業承継の案件として具体的になった際に、「千葉県事業引継支援センター」や「事業承継ネットワークちば」を紹介し支援を実施する。事業承継については、小規模事業者の減少はそのまま我々の会員基盤の減少を意味するため、当事者意識を持って取り組んでいるものである。※  45歳以下の次代の経営者及び後継者が集う商工会における一部会である。5 地域全体の繁栄を目指して地域の雇用のほとんどを支えているのは地域の小規模事業者であり、地域の屋台骨を支えているのも小規模事業者となる。そのような小規模事業者へ対して支援を行い、地域を盛り上げていくことが商工会の存在意義であろう。そのために、経営発達支援計画の認定を県内全40商工会が受け、商売繁盛窓口事業等を活用し短期的、長期的両面において支援能力の向上へ努めている。長期的には、職員こそが小規模事業者への支援力の源泉であると考えるため、専門家から専門的な見地からの支援能力についてのOJTを受け、本会OB人材をスーパーバイザーとして登録し、商工会職員としての支援能力を身につけるべく対応を実施している。6 おわりに「商工会さん?ああ、お祭りで焼きそばを焼いている人たちね。」といった声を聞くことがある。地域総合振興事業も我々商工会の大切な任務であり、地域のイベントへの参加も地域を盛り上げ、ひいては地域に存在する小規模事業者の業績向上につながるために実施している事業である。従来の地域総合振興事業は地域全体の景気を底上げし、その結果個別の小規模事業者の支援に結びつけようという発想であった。しかし、経営発達支援計画によって、地域の小規模事業者の事業計画策定を支援し、小規模事業者の業績を改善・向上させ、地域全体を盛り上げようといった発想も生まれている。商工会は、地域の屋台骨たる小規模事業者支援を地道に行い、今後、「商工会さん?ああ、うちの地域になくてはならない団体だね」と言われるように今後とも努力を重ねていく所存である。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 36

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です