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「フィリピン」では、「派遣労働者」が6割前後を占めている一方、「ベトナム」、「インドネシア」では、「技能実習生」が6割前後を占めている(図7-②)。これは、「ブラジル」、「ペルー」、「フィリピン」の出身者には、外国人技能実習生が少なく、日系3世や日本人の配偶者といった身分資格で滞在している者が多いからであると考えられる。3 外国人労働者を受け入れる上での問題点①外国人労働者を受け入れてきた中で困ったことここからは、事業所が「外国人労働者を受け入れてきた中で困ったこと」を在留資格別に見ていきたい。外国人の「定住者」では「困ったことはない」が51.9%で最も多いが、「技能実習生」及び「資格外活動4」では「日本語能力が不十分なため、コミュニケーションが上手くとれない」が、それぞれ61.9%、43.5%と最も多く、「定住者」でも36.6%と2番目に多かった(図8)。②非正規社員の外国人労働者が正社員になるために行った教育訓練・能力開発非正規社員の外国人労働者を雇用している事業所に対し、非正規社員の外国人労働者が正社員になるために行った教育訓練・能力開発を聞いたところ、「実施していない」が77.2%となった。「企業内部での教育訓練を実施している」は、20.7%であった(図9)。この結果から、非正規社員の外国人労働者については、OJTなどの教育訓練・能力開発があまり行われていないことが伺える。③在留資格別にみた外国人労働者に求める日本語能力外国人が働いている事業所及び今後の活用を検討している・検討する可能性がある事業所が、外国人労働者に求める日本語能力について、在留資格別の回答を見ると、「技能実習生」、「資格外活動」では日本語能力試験5の「3級(N3)程度」が40.4%と最も多く、「定住者」では「2級(N2)程度」が39.3%で、「1級(N1)程度」も23.5%と多くなっている(図10)。この図10 在留資格別にみた外国人労働者に求める日本語能力(単一回答、無回答を除く)出所:静岡県外国人労働者実態調査10.4%23.5%6.9%29.1%39.3%27.1%40.4%22.8%38.0%16.3%10.6%21.5%3.7%3.8%6.5%技能実習生定住者資格外活動幅広い場面で使われる日本語の理解(N1程度)日常的な場面で使われる日本語の理解(N2程度)日常的な場面で使われる日本語をある程度理解(N3程度)基本的な日本語を理解(N4程度)基本的な日本語をある程度理解(N5)以下(n=460)(n=583)(n=321)N1程度N2程度N3程度N4程度N5以下4 資格外活動とは、外国人が現に有する在留資格による活動のほかに、許可を得て週28時間を上限に、収入を伴う活動を行うことで、留学生のアルバイト等が該当する。5 公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催する日本語を母語としない人を対象に日本語能力を認定する検定試験図8 外国人労働者を受け入れてきた中で困ったこと(複数回答、在留資格別、無回答を除く)61.9%30.7%24.3%16.3%11.4%5.0%3.5%3.5%26.2%5.9%36.6%7.1%7.4%4.1%2.4%5.6%18.0%11.2%51.9%7.1%43.5%6.5%6.5%8.1%3.2%3.2%22.6%6.5%32.3%17.7%日本語能力が不十分なため、コミュニケーションが上手くとれないごみの出し方等、日本での生活上の習慣の指導に手間がかかる外国人労働者の病気やけが及びその対応外国人労働者の精神面での不調及びその対応(メンタルヘルスケア)外国人労働者の住居の確保が困難生活や文化の違いから、外国人労働者同士のトラブルが生じる遅刻・欠勤が多いなど職場のルールが守れない生活や文化の違いから、日本人労働者とのトラブルが生じる困ったことは特になしその他技能実習生(n=202)定住者(n=339)資格外活動(n=62)出所:静岡県外国人労働者実態調査図9 非正規社員の外国人労働者が正規社員になるために行った教育訓練・能力開発(n=140、複数回答)出所:静岡県外国人労働者実態調査20.7%1.4%2.1%71.4%4.3%4.3%企業内部での教育訓練を実施している公共職業訓練(在職者訓練)を利用している公共職業訓練(在職者訓練)以外の外部の教育訓練を利用している実施していないその他無回答31中小企業支援研究 Vol.8

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