View & Vision No42
36/62

3442「Win〜Winの関係拡大」等にヒントを得て発想した概念で、「利益共同体契約締結の建物オーナーと核テナントは、危機襲来時は、運命共同体精神で契約を超えて共闘してこそ、お互いの経営基盤が護られ、地獄転落を回避できる!」という考え方で、当社の経営理念ともなっています。 2000年社長に就任した筆者は、社員の「不働」産業の誤解を改めさせ、以下の三大改革に着手しました。 その第一は、ダイエー市川店のV革目指し、テナント・サポートのPlan・Do・Seeサイクルを回すプロジェクトを発足させ、ダイエー殿と当社の幹部が、年8回お店の競争力強化目指した会議を開き、建物価値増加に繋がる改善案件は当社が積極的に出捐し感謝され、賃料減額交渉を未然回避しました。 第二に、旧地権者のお店の多い床のゴーストタウン化防止の為、極低賃料テナント誘致で毎年5千万円の機会損失赤字を出しているB1階の問題解決の為、旧地権者と協働して「B1プロジェクト」を発足させました。 第三は、ビル管理業務に製造業の知恵を導入し、ダイエー側と当社側の設備担当者を毎月一堂に集めた連合ミーティングを開催し、ビル品質管理月報でPDSサイクルを回してトータルコストを削減したり、建物管理業務の品質・効率を改善し、得たメリットをテナント殿に提供しました。 三大改革の成功は早く、第一課題のダイエー店損益は1年後に赤字を脱しました。第二課題のB1問題協議は半年後に合意成立、1年後には旧地権者のお店が全面撤退し、好賃料テナントが入居しました。第三課題もビル共益業務協力会社の整理統合、業務効率化推進で、コスト削減と業務品質向上が同時に果たせる一石二鳥の成果を得ました。 その勢いを駆って、2003年には底地建物の18%を保有していた大口の旧地権者から持分を買収し、2005年には、委託家主の持分を買収して、当社の念願たる「再開発ビル建物・底地の統一」を果たしました。 当社は改革の手を緩めず、レインボー作戦と銘打った建物価値増強(①省エネ、②省コスト・バックルーム増収、③業務効率化、④ビルピカピカ、⑤集客力向上、⑥防犯防災体質向上、⑦全従業員満足度向上)投資を毎年1.5億円続け、2007年には耐震改修実施、2009年には350台の高層駐輪場を建設し、竣工後40年経過した大年増ビルと言わせないように、リフレッシュ投資を継続中です。 筆者と当社は産官学民連携の推進役として、街づくり組織「元気!市川会」の代表・事務局業務を務めています。この人脈形成の契機は、2001年3月の千葉商科大学開催の地域連携フォーラムでした。 この場でのヤル気溢れる関係者の出会いを契機に、翌4月産官学民のキーパーソンを糾合し、筆者が事務行政が育成した街づくり組織「元気!市川会」が独り立ち工場管理の知恵の実行で脱「不働」産業の改革推進図2 プラスサムゲームでWin〜Winの関係拡大写真4 耐震改修工事

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 36

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です