View & Vision No42
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3542局長を務める「市川の街の魅力を高める会」が活動を開始し、同年秋、国内ワースト10だった市川駅前駐輪無法地帯の改善を主導しました。同大学の瀧上教授(現副学長)は当会のチャーターメンバーです。 この会を基に2003年発足した「市川駅北口周辺振興整備計画策定懇談会」が答申後も存続した組織が、現在の「元気!市川会」です。2004年春、市川市との間に街づくり協定書を締結しました。行政に7項目をお願いする一方、民間側も11項目の改善努力を謳った街づくり双務協定は画期的な事であり、当会の精神「知恵を出し、汗を掻き、金も出す」は非凡と評価されています。会の存続意義は、地域の自治会・商店会、有志企業、バス・タクシー業界、大学、警察・行政にとって、地域問題を論議し解決の方向性を見出すコミュニティであり、地域間競争を闘う上で有力な地域の武器・資産に成長しています。 同会の成果としては、駅周辺の自転車駐輪問題の改善、駅広屋根の建設・保守・清掃・LED装飾、地域防犯カメラの建設・保守、協賛企業のご支援を頂く駅前ガーデニング、市民啓発用の駅広文字・音声放送の建設・保守、自転車運転マナー向上活動等が有り、2009年にはCSR(企業の社会的責任)精神で建物付属駐輪場を3億円で建設し、駅周辺の街の魅力向上に貢献し続けています。 1975年ビル開業以来、商業ビルの警備保安、設備管理、美化清掃、廃棄物処理等の共益業務は、他ビル会社同様に協力会社に委嘱しています。ダイエー殿の商売が傾いて来ると、共益費用削減が課題となりました。削減要求の度が過ぎると協力会社は自衛の為、手抜き・人抜きをするのは世の習いです。 製造業出身の筆者は、直営・協力社員を『人財』『人材』『人在』『人罪』の4種類に見ています。仕事している振りの『人在』は『人材』に教育改善可能ですが、蜜柑箱の中の腐った蜜柑に例えられる『人罪』は早期摘出以外の策は有りません。その為には協力会社幹部との信頼関係が重要で、当社は以下の策で、両社の共存共栄関係を継続させています。 先ず第一は、競争見積による値下げ要求の廃止です。値下げを強いられた業者は、低賃金の労働者を雇用しますが、賃金と労働の質は比例しますので、建物価値劣化を懸念してのことです。 第二は組織の効率化です。同じ業務を核テナントと当社が並行して行っている場合、優秀な組織への一元化でトータルコストが削減できます。 第三は機械導入による少数精鋭化・多能化で、労働生産性の上昇した社員の年収が増える仕組みの実行です。 第四は建物の環境品質を数値化し、月報資料でPDSサイクルを回す事です。メリット提供を受けるテナント殿は喜び、協力会社・テナント幹部は当社を「口も出すが金も出す」と評価しています。 当社の経営理念は図4に示す如く、当社を取り巻く企業生き残り活動で磨き上げられた当社の経営理念協力会社とのWin〜Winの関係発展でビル価値向上図3 自社の為にもなる街づくり活動表1 交渉相手とのWin〜Win関係追求

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