View & Vision No42
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3642利害関係者との間に多種多様なWin〜Winの関係を創り、当社と付き合って良かったと感じて頂ける事です。社員・株主は勿論、協力会社とその社員、テナント会社とお店の従業員、お店をご利用下さる地域生活者、そして地域の行政・大学が対象です。 市川ビルが如何に光り輝く建物でも、購買力の無い砂漠に在ったら即倒産します。市川の街の魅力が高く、多くの地域生活者の存在のお蔭で当社が生存できている事を考えれば、街の魅力向上への貢献は地域企業の義務です。 従って自社だけが得をし、関係者が損しても構わないという企業・組織と取引する時は牙を剥いて闘います。マンションと商業の複合ビルの一部を保有したケースで、建物を建設した子会社が建物管理業務を行う場合、店子の無知に付け込んで法外な管理費を請求するケースに遭遇しました。 当社は千葉商科大学で学んだ「1:99の原則」を適用し、徐々に味方・賛同者を増やす作戦で、当社の共有持分の建物では管理費の年間1億円の削減に成功しました。勿論、当社のメリットは床の持分比率となりますが、他の保有関係者からは感謝のお言葉を頂いています。 当社は現在、企業寿命百年超を目指し、経営品質向上に努力中です。一世を風靡していた一流会社がいとも簡単にアッという間に凋落し他社の傘下に吸収される時代の変化には恐怖すら覚えます。 倒産は取引先に多大の迷惑を掛けますし、他社の傘下入りは、忠勤社員がリストラされるので避けたく、当社は以下のことを心掛けています。 第一に、地域密着の植物企業の自覚です。当社は他地区に逃げられませんが、動物企業のテナント殿は儲からなければ退店できます。定期借家契約が増加中の昨今でも、古くからのテナント殿とは旧借地借家法による契約です。平安時代の通い婚制度に例えれば、当社は家付き娘、テナントは通い男の存在であり、今迄のテナントに見棄てられても、他のテナントが出店したくなる魅力的要件を、当ビルが常に具備し続けることが目標です。 第二に、経営規模拡大を急がないことです。現在保有の3事業所は本社から10分以内、直営・協力社員が機動的に動ける距離に在ります。協力社員を含めても30有余名なので、全員の顔と性格が分かり、現場の全情報が社長・直協幹部合同の朝礼で共有化されます。当社経営規模拡大は「尺取虫」的な着実な速度を選びます。経営理念に基づく価値観の共有を土台に、情報の共有化は感情の共有化をもたらし、即断即決のスピード経営が可能です。 第三は中小企業の長所を生かし、短所を反面教師とする経営です。図5にその考え方を示します。他社を差別化するイノベーション機能を持たない当社の強みは、図5の経営精神(①一体性、②迅速性、③密着性、④専門性、⑤機動性、⑥所有と経営の分離、⑦経営情報の積極的開示、⑧設備リフレッシュ、⑨高労働生産性、⑩優秀人材の一本釣り、⑪大企業との対等な交渉力)の継続的実行こそが当社の最高の武器です。100年超企業を目指した当社の経営方針図4 当社の経営理念図5 中小企業の長所と短所を反面教師とした当社の方向性

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