View & Vision44
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21特 集女性の活躍が地域社会を変える44ように平成15年の時点で、子供ができたら仕事を辞めるという割合と子供ができても仕事を続けるとする割合が逆転している。出産や育児というライフイベントに関わりなく仕事を続けたいという女性の意識が高まっていることが数字に表れている。3 一方、「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」というステレオタイプの考え方に「賛成」あるいは「どちらかといえば賛成」と答える者は長期的には減少傾向にあるものの平成26年には女性で43.2%,男性で46.5%となっており、「仕事」か「家庭」かといった選択に迫られている現実も垣間見える。4 結果、両立を目指す工夫としての共働き世帯が増加している。平成に入り、専業主婦世帯は逆転し、以後、急速に減少している。5 こうしたデータから読み取れるのは、女性のみならず社会全体の意識が変革されてきたことと併せて、自己実現への欲求が発現しやすい環境が整ってきたことではないか。労働基準法や男女雇用機会均等法が数度の改訂を重ねているように、法のあり方も規制から選択肢の拡大化を支援する方向に進んでいるといえよう。 マズローの分析による欲求の5段階では、基底から生理的欲求、安全に対する欲求、社会的欲求、尊厳に関する欲求と積み上げてきて最上段に自己実現が位置付けられる。衣食足りて礼節を知る、という格言もあるが、成熟社会の一つの切り口として、このテーマを考えると、まさに自己実現のステージに達したということだろう。 これからの「女性活躍」はサッチャーさん流にいうなら、女性用のプログラムを用意するのではなく、活3 図2 http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h28/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-00-11.html 2017.7.14 図3 http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h28/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-03-02.html 2017.7.15 図4 東日本大震災時の統計は途切れている。平成6年あたりに一度リバウンドがあったのはバブル崩壊による家計への圧迫が原因とみられる。http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h28/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-03-01.html図4図3

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