View & Vision44
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3444強引に誘導することも時に必要ですが、4年生はそういう訳にはいかなくなります。なぜなら就活本番開始以降の動きが多様であるのと、学生の方が最前線にいるため、情報ニーズも支援ニーズも多様で、より現実的かつ具体的になるからです。ミニであるということはそういうことなのです。 さて最後になりますが、イベントの中身について議論するとき、本考察の過程で非常に重要だと再認識できたことがあります。それは、すべてのイベントは、学年に関係なく、学生の就職活動に対するモチベーションを高める内容になっているかどうかが重要だということです。本稿ではイベント目的を4分類にし、モチベーションはそのうちの1つでしたが、イベントの特性と集客状況の相関を見ていくうちに、就職支援イベントの集客戦略=モチベーション戦略ではないかと思えるようになりました。先述の逆オファー型学内合同会社説明会はその最たる例だと言えます。学内合同会社説明会の目的はマッチングですから、就職先として考えることができる企業と出会えるかもしれないという期待感がもともと参加モチベーションになっています。そこに、履歴書を通して自分のことを評価され、オファーがもらえたらうれしいというモチベーションが加わって、より集客に繋がったと考えられます。今後学内イベントを企画するにあたってモチベーション戦略は重要なテーマになりますが、モチベーション戦略を考える際に次の2つの視点が大切になります。1つは参加を促す告知力が備わっているかどうか、もう1つは参加した学生へのフィードバックができるかどうかです。告知力=表現力×メディア力×頻度だと思います。あいにく今回は告知力の分析ができていませんが、せっかく魅力的なイベントが企画されていても、ターゲットに効果的に訴求されなければ思うような集客は図れません。ポスターにしてもキャッチコピー、ボディコピー、デザイン、色使いまで留意してなおかつ掲示場所、掲示期間まで考慮する必要があります。もちろんポスター以外にも告知媒介する多様な手段を講じなければなりません。今後は告知力の分析もするべきなのかも知れません。 参加学生へのフィードバックですが、実はこれが最も大事だということにも気づかされました。逆オファー型イベントで言えば、履歴書を見た企業からオファーがもらえるというのはまさしく重要なフィードバックです。そして、もらえた理由、もらえなかった理由を正しく伝えるのもこれまた重要なフィードバックです。フィードバックがさらにモチベーションを高め、そのことが口コミで拡がって、学生達が自然に集まるようになれば理想的です。集客、集客と口酸っぱく言うより、学生に向けたたった1回の「微笑み返し」でもいいのでフィードバックを大事にしたいと思います。 表3は現3年生向けのイベント実績表です。写真は「就勝!実践講座」とインターンシップフェスティバルの当日の様子です。図3は集客に関する相関表です。昨年の3年生向けはマスが圧倒的に多かったのですが、今年度はミニが増えています。そしてマスだけでなくミニも5割のイベントで対目標客率が高くなっています。しかも目的が「モチベーション」のイベント⑪⑫の集客率は2つとも集客目標を上回りました。来年の就活本番での成果が期待できそうです。4.集客とモチベーション

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