View & Vision44
38/60

3644 2008年に観光庁が発足し、その前年の訪日外国人客数は834万人でありました。 長らく、海外旅行者数と訪日外国人旅行者数は大きくかけ離れていましたが、観光庁の発足と小泉政権下における、ビジットジャパンキャンペーンにおいて1000万人を目指すという数値目標が提示されました。2011年は東日本大震災によって、その年は621万人に落ち込むものの、翌年の2012年には835万人となり、2013年には大台の1036万人となりました。その後の伸びは、言うまでもなく2016年には2403万人となり、2020年の東京オリンピック・パラリンピック時には4000万人、更に6000万人という目標が掲げられています。日本は今後、人口減少という大きな問題に直面しており、国内総生産の点から見ても、政府の施策として避けて通れないと思います。日本人一人当たりの消費額が年間130万円〜140万円と言われておりますが、外国人の日本滞在時の消費額平均が14万円とすれば、9人の外国旅行数で日本人1人の消費額と同等となります。つまり、2400万人は日本人266万人に相当することになります。 さて、そのような中、私の勤務する東北地方は6県ございますが、6県で2016年の外国人旅行者数は19万人となっています。日本全体から見ればわずか0.8%となっています。6年前の東日本大震災時は、インフラや宿泊施設が影響を受けてそれどころではないという時期もございましたが、今はそういった事は全くなく本当に寂しい限りでございます。国や6県の行政、民間会社も努力をしていますが、風評被害等により大苦戦を強いられております。岩手県の2016年の宿泊者数は115,580人となっています。その内、花巻温泉株式会社は、22,000人ですので、約2割が当社となっています。 簡単に岩手県の外国人宿泊客数について列記致しますと、震災前の平成22年は83,440人だったものが、2011年の震災年には32,140人まで落ち込み、その後年々右肩上がりとなっています。一番多い国は、台湾で61,560人、次が中国で12,110人、香港が8,290人、韓国が6,220人、その他はタイ、マレーシア、シンガポールなどが続きます。インバウンドにおいて、どの空港を利用するかが大きなポイントとなってまいりますが、定期便を持たない岩手県においては、季節のチャーター便、東北の玄関口である仙台空港、周辺の青森空港、秋田空港、路線の多い成田空港や羽田空港から新幹線やバスを利用しての来県となります。そうなってきますと、空港からの2次交通の確保が重要となってまいります。岩手県においてもFIT(個人型)の外国旅行者が増えてきていますが、まだまだ圧倒的に多いのは団体(バス1台で20名から30名)であります。当社でも多い日はバス10台という事も多くなってまいりました。最新インバウンド状況と今後の課題日本国内2400万人、東北19万人花巻温泉株式会社 代表取締役社長安藤 昭ANDO Akiraプロフィール学 歴  昭和57年3月千葉商科大学商経学部卒業職 歴  昭和57年3月24日富士屋ホテル株式会社 入社     平成 2年1月10日シェラトンホテルズにてマネージメント研修(ハワイ1年間)     平成17年6月28日富士屋ホテル株式会社 取締役     平成19年6月27日富士屋ホテル株式会社 取締役総支配人     平成22年6月25日富士屋ホテル株式会社 第11代 代表取締役社長     平成26年3月 1日花巻温泉株式会社 第14代 代表取締役社長現在に至る

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る