View & Vision44
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3744 私は現在、岩手県花巻空港国際定期便歓迎実行委員会の会長を仰せつかっております。岩手県においてただ一つの空港が花巻空港でございます。国内線は、新千歳に毎日3便、小牧空港に毎日4便、伊丹空港に毎日4便、福岡空港に毎日1便となっております。前述の通り、国際定期便の運航は現在ありません。2年前に台湾からの定期便受入れの協議もされましたが、まだ実行はされておりません。現在、力を入れている事はアジア地域からのチャーター便の受け入れ、そして双方向からの定期チャーター便の運航再開であります。チャーター便が初めて実行されましたのは、17年前の2000年に遡ります。台湾からの28便で、6,003名からのスタートとなりました。その当時を知る現在花巻温泉株式会社の佐藤セールス部長は、「初便が到着した当時の空港は、トイレが全て和式で台湾からのお客様が困ったとか、空港の売店での買い物の時に、クレジットカードが使用出来なかったなど、今思い起こせば笑い話のような出来事がありました」と話しています。現在では、大型の機材が離発着出来る2500メートルの滑走路となり、国際線専用チェックインカウンターから専用ロビー、入出国ゲートなどを完備した国際空港に生まれ変わりました。近年の岩手県の動きとしては、定期便化に向けての取り組みを強化致しておりますが、中々進んでいないのが現状であります。航空会社の諸事情やアウトバウンドとしての見込が計算出来るかが一番大きなポイントかと思います。現在、仙台空港には台湾のエバー航空が週4便、中華航空の関連会社でLCCのタイガーエアが週4便飛んでおります。北東北の岩手県として、いずれの国との定期便化に向けて最善の努力を継続してまいりたいと思います。そのような事から、チャーター便の受け入れ実績を残して、定期便化に向かっている所でございます。 2017年、5月末から6月初旬にかけて、岩手県台湾訪問ミッション並びに香港訪問に参加してまいりました。台湾は前述の通り、東北6県の中で台湾からの観光客数は岩手県がトップであります。これは、台湾総統府の民政長官を務めた後藤新平(岩手県奥州市出身)や日本円札にも登場した新渡戸稲造氏(岩手県盛岡市出身)が台湾総督府の技師に任命され、台湾における糖業発展の基礎を築いた功績などによるものもあり、特別な関係が双方に長年に渡って引き継がれている事も要因であると考えます。 今回の訪台を含めて、県知事ミッションは毎年数回行われており、民間レベルや岩手県の担当レベルでは年に数回又は数十回と行われている大手航空会社並びに大手旅行会社への訪問であります。今回のミッションは、岩手県知事を団長とし、岩手県観光協会会長、岩手県企画理事、岩手県商工労働観光部長、花巻市長、民間企業の社長など、30名からなる訪問でありました。 まず、台湾の状況でございますが、桃園国際空港に3本目の滑走路工事(2020年〜2023年)が行われていることもあり、今後も拡大が見込まれる市場であると思われます。台湾の人口は、2351万人。政治体制は、民主進歩党に変わり蔡英文氏が総統を務めています。議会は一院制で、立法院定数は113であります。お忙しい中、日本では議長にあたる蘇院長にお会いすることが出来ました。日本から台湾を訪れる数は約190万人、台湾から日本に見える方は417万人(前年比13.3%)となっており、相互交流は600万人を突破し、過去最高を更新しています。訪日台湾人の特徴としては、1人当たりの旅行消費が125,854円(16年)、平均泊数は7.4泊(16年)となっています。その内、8割がリピーター、6割が女性であります。団体旅行と個人旅行の割合は、団体が3割、個人が7割とWEBを通しての申し込みであるFITの比率が高くなっています。日本への地域別訪問率では、関東の32.4%を筆頭に、近畿の31.5%、北海道の13.1%、沖縄の11.3%に対して東北は3.0%と苦戦しています。花巻空港に定期便をという要望を引き続き行っていますが、今回の訪台では良い結果は得られませんでした。 一方、香港マーケットですが、2年前の当社創業88周年の記念祝賀パーティーの際に、香港や台湾からいつもお世話になっています大手旅行エージェントの方々にお越し頂きました。岩手県チャーター便の歴史訪台・訪港に際して

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