View & Vision44
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5144た(コーズあり×ハンドメイド)。第2グループには、製品の写真とマシンメイドの動画を見せ、さらにコーズを説明した(コーズあり×マシンメイド)。第3グループには、製品の写真とハンドメイドの動画を見せた(コーズなし×ハンドメイド)。第4グループには、製品の写真とマシンメイドの動画を見せた(コーズなし×マシンメイド)。またすべてのグループに「この商品を誰にプレゼントしますか」を尋ねた。 これと同様の調査を2017年4月に千葉商科大学と上智大学、東京経済大学の学生490名を対象に実施した。この調査では、前回調査での結果で購買意図に対して影響が見られなかった項目と同じ項目内で平均値の低い項目を削除し、再度探索的調査を実施した。なお、これらの結果については、2017年5月に開催された日本商業学会にて学会報告をし、現在それを論文にする作業をしている。今後は、これら二つの調査結果を踏まえ、2017年夏に全国の20代以上の消費者を対象としたインターネット調査を実施する予定である。3.ボランタリー・シンプリシティ ボランタリー・シンプリシティは、日本では最近、「ミニマリスト」(最低限の持ち物で生活をする人たち)という言葉で、それを実践する消費者のライフスタイルに注目が集まっている。東日本大震災以降、応援消費に代表されるように、売上の一部が社会的課題の解決に使われるコーズ製品が数多く販売された。このような製品を消費者は好んで購買するようになり,現在,消費を通じた社会的課題の解決が日本社会で普及しつつある。 その一方、東日本大震災後、原子力発電所がメルトダウンしたことを受けて、特に小さな子どもがいる家庭では、食品への意識が高まり、それまで購入していた食品の購入をやめて、敢えてオーガニック食品を好んで選択する消費者が増加した。また近年では、できる限り所有物を少なくするミニマリストを代表とする自発的にシンプルな生活を実践するボランタリー・シンプリファー(Voluntary Simpliers)の消費スタイルも注目されつつある。特に日本ではボランタリー・シンプリファーを対象とした研究について理論的な研究は行われているものの、実証研究はほとんど行われていない。本研究では、欧米でボランタリー・シンプリファーという概念で理解されている消費者と日本のミニマリストがどのような点が同じで、どのような点が異なるのかについて検討する。図2 調査で用いたスライドの一例無印良品のウールフェルトマフラー• 製品の特徴• フェルトを使ったハンドメイドでこの薄さを作るのは、とても手間のかかる作業です。肌に当たる部分には、柔らかいメリノウールを使用して、チクチクしにくくなっています。• 製品の素材• キルギス共和国で作られるこのフェルト商品は、天然のウールを100%使用し、キルギスの伝統的な手法により全てハンドメイドで作られています。市販のフェルトは、ポリエステルで作られているものも多いですが、この天然フェルトは100%のウールと石鹸、そして水だけで作られるのです。

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