View & Vision44
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5444■基調講演「地域とともに ~ 仕事を通して学んだこと」「大里綜合管理株式会社」代表取締役社長・野ところ老真理子氏仕事の第一歩は、人の思いに《気づく》こと 野老氏は、千葉県大網白里市で不動産取引・建築請負・管理に携わる傍ら、社員とともに300を超える地域活動に関わっており、そこでの《気づき》がアイディアになり、アイディアこそ43年間黒字経営の源泉であると実例を交えて話した。フクシマの原発事故に学び、震災前年比80%の節電を可能にしたというアイディアの数々に、会場はどよめきと称賛に包まれた。例えば夏、冷房は運転しない。床をノースリッパで歩く心地よさ。来客の「おもてなし」は冷たいおしぼり&ネクタイ、省エネ扇風機。冬は視覚効果を狙い、社員全員が赤のカーディガンを着用し、椅子には赤のブランケット。1時間ごとに、ラジオ体操で身体を温める。これこそ自家発電ならぬ「自ら発電」で、暖房費節約に加え、社員の健康にも役立つとほほ笑んだ。6年前の東日本大震災では、信号の消えた交差点に、社員が自発的に立ち、交通整理を行った。非常時に何ができるか考え、地域と共にいい街を創りたいと語った。 ■パネルディスカッション男性もwelcome「あなたの活躍が地域社会を変える」 パネリストは野老氏に加え、「千葉県総合企画部」千葉の魅力担当部長・冨塚昌子氏、本学卒業生で「株式会社パートナーズ」専務取締役・澤井律子氏、本学国際教養学部長・宮崎緑教授が、女子学生2名(国際教養学部3年・中嶋千絢さん、商経学部商学科4年・小川碧さん)と共に参加し、モデレーターは経済研究所長・橋本隆子教授が務めた。 冨塚氏は行政の立場から、「千葉は魅力がいっぱい。成田国際空港、東京湾アクアライン、おいしい水産物や野菜。だから千葉を離れないでね」とアンバサダーの本領を発揮。澤井氏は学生時代、女子軟式野球部で活躍し、会場には後輩たちも駆けつけた。卒業から15年を経て、今や気仙沼市で太陽光発電システムを主とした再生可能エネルギー販売施工会社の経営者だ。目標は地域雇用の創出と国内外で活躍できる社員教育だと、しっかりと将来を見据えていた。宮崎教授は、仕事役割は男女別ではなく「適材適所」だ。マズローの「欲求5段階説」の最上段は自己実現であって事業レポート2017年7月1日千葉商科大学経済研究所 公開シンポジウム女あなた性の活躍が地域社会を変える― 産業,行政,教育の視点から ―キャリアコンサルタント、GCDF-Japan キャリアカウンセラー(シンポジウム総合司会)林 幸恵HAYASHI Sachie 7月1日、図書館5階会議場に本学ゆかりの各界女性リーダー、女子学生はじめ120名の参加者が集い、「女性の活躍が地域社会を変える」と題したシンポジウムを4時間に亘って開催した。しかし、このテーマは女性にフォーカスしていたため、ディスカッションでパネリストから、女性に限定せず“あなた”とか“私たち”の方がふさわしいのではないかとの提言に一同賛同し、「あなたの活躍が地域社会を変える」に変更した。

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