View & Vision44
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5544女性実現ではない。学生が自己実現に向かうプログラムの一環で、国際教養学部の新入生は入学式直後に「海外フレッシュマンキャンプ」に出発し、体験を重ねて成長する。その中でも成長めざましい学生として、中嶋さんを紹介した。中嶋さんは「フレッシュマンキャンプの上海で固定観念が崩れ、カナダやスコットランドに短期留学するたびに新しい発見があった。将来はグローバル人材として日本と世界の架け橋になり、地球のどこかで活躍していたい」と抱負を語った。続いて、簿記等の資格取得で定評ある「瑞穂会」で成果を挙げた学生として紹介された小川さんは、キャリアプランは地域密着型の金融に就職し、地域に貢献すること。それには中小企業診断士の資格も取得したい。好きな言葉は“心が変われば、運命が変わる”。心が変わるできごとを大事にしたいと語った。モデレーターの橋本所長は、この場でテーマをよりふさわしく変更できたように、 “気づき”が提案につながり、結果的に社会を変えていく力になる。大学としては、学生がチャンスをつかむサポートに努めたいと語った。 冒頭の学長挨拶から総括まで、終始愉快そうに微笑み、時にコメントしていた原科学長は「パネリストにすばらしい女性がそろい、本学にしっかりした学生や卒業生がいることがわかってうれしい。野老さんは人の言うことにとらわれず、直感を活かして、模範的なCSRを実行している。ただ、今回のパネリストには専業主婦がいないが、専業主婦が頑張ると、地域社会が変わるのではないか。本学も身近な市川から千葉、全国へと連携を広げたい。みなさん、共にやっていきましょうと結んだ。 終了後は、本学「The University DINING」で、ビュッフェスタイルの懇親会が開催され、パネリストも参加者もグラス片手に語り合い、シンポジウムの余韻を楽しんだ。■アンケート集計からパネリストに共感するも、テーマの深堀りに不足感か 100名を超える参加者中、アンケート回答者は57名(男性31、女性26)。年代では50代が最も多く16名、次いで40代13名、20代9名であった。 自由記述欄に記載されたコメントの一端を紹介する。●終始楽しく、多くを共感しながら参加しました。日々仕事や育児で悩んでいますが、前に進めるディスカッションでした。今後も野老さんのようにアイディアを実行に移している方々の実施方法や、課題の解決方法などを拝聴したいです。(30代女性:神奈川県内)●起業準備中なのですが、すべてがリンクして自身につながりました。今後、同じようなテーマで色違いの話題を聞きたい。(50代女性:市川市内)●実際に社会で活躍されている女性からの貴重な話を聞けて勉強になりました。質問者の論点がずれていくのが気になりました。もっと外部からいらした方の話が聞きたかった。(20歳未満女性:千葉県内)ほか。●2人の学生が、大人の中でも意見をしっかり言えることに感心しました。テーマは「女性~変える」より「~つくる」でも良いかな。(50代女性:千葉県内)●野老さんの話は個性的で経験豊かで、楽しかった。従業員の方もいらしていて、会社の姿がよく見えたところもよかったと思います。(50代男性:千葉県内)●既成概念に囚われない経営者と、役人のコントラストが面白かった。(40代男性:市川市内)●テーマに対する深掘り(ディスカッション)がもの足りなかった。女性の能力と女性としての未来の仕事について、もう少し侃々諤々話し合うことを期待していた。(70代以上男性:市川市内)●野老さんの話で「考えず、直感で」とは、実は女性的とも言えるかもしれません。(30代男性:千葉県内)■以上、アンケートの一端を紹介しながら、女性のエネルギーと男性の期待に満ちたシンポジウムが、真剣かつ和やかに、熱気を帯びて終始したことを報告する。身を乗り出す参加者/一体感で盛り上がった会場

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