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7447とめ買い」という意味でそれらを大量に買うという購買行動をしているとも考えることができよう。 台湾に長期で滞在して改めて実感したが、台湾人は日本人に対して、非常に優しく、大変良いイメージを持っている。東日本大震災が発生した後に200億円を超える義援金が日本のために寄付された7。私が台湾滞在中の2018年2月8日に台湾東部の花連市近海で発生したM6.4地震では、ビルが倒壊するなどの被害が生じた。日本からの義援金の総額は把握されていないが、Yahoo!基金では、総勢約16万人から総額およそ1億5千万円が寄付された。このようなことからもわかるように、台湾と日本は、他の諸外国と比べても、密接な関係にあると考えることができる。 台湾人は「日本」ブランドに対して、ロイヤルティが高い人たちであると理解することができる。その点を理解してか、近年は地方自治体も観光客誘致のためのマーケティング活動を展開している。実際、私の滞在中には、熊本県が家樂福(Carrfour)と共同して、くまモンを使ったキャンペーンを展開し、多くのくまモングッズが販売されていた。 台湾では「日本」ブランドが確立しており、台湾企業の中にはそれを利用してビジネスを展開している企業も多い。日本はアジアの中では、いち早く先進国の仲間入りをした。そういった意味では、台湾人がそのように日本に思うのは、我々日本人が高度経済成長時代にAmerican Way of Lifeを目指したのと似ているのかもしれない。初めて台湾を訪れた10年以上前は、まだ台湾は途上国の面影が残っていたが、近年は日本より進んでいると思える部分が多くなっている。日本がアジアの中で「昔の先進国」とならないために、「日本」ブランドの維持・向上に多方面から努める必要があるだろう。図表 台湾と日本の比較台湾日本人口2357万1000人1億2526万6918人面積36,190km²378,000km²名目GDP総額579.3(10億ドル)4,872.1(10億ドル)実質GDP成長率2.9%1.71%一人当たりの名目GDP24,577ドル38,440ドル出所:JETRO、総務省統計局より作成7 詳細は、nippon.com「データで見る東日本大震災の台湾からの義援金250億円」(https://www.nippon.com/ja/features/c04918/)を参照。

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