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特 集EBPMと行政事業レビュー1848的に指摘すれば、当初のロジックモデルが不適切であったため、目的に到達するための手段が適切なものにならなかったということである。したがって、いくらEBPMに基づいてロジックモデルを再構築したところで、その結果である「手段」が同じでは、目的が達せられないのは当然である。換言すれば、EBPMに基づいて新たにロジックモデルをつくれば、これまでとは異なる論理の結論として異なる「手段」に到達しうるはずなのであり、そうならない事実は既存の「手段」に到達するように新たなモデルのロジックを意識的あるいは無意識に自己誘導したということになる。ロジックモデルの作法8EBPMに基づかずに設計された事業のEBPMによる再ロジックモデル化の限界について論じる前に、ロジックモデルをつくるための作法について触れておきたい。ロジックモデルは因果関係の連鎖の仮説であるが、その作り方としては、「結果」つまり「目的」を設定して、それをもたらす複数の「原因」つまり「十分条件」を探ることが基本となる。その際に重要となるのが、抽象性の高いものから具体的なものへと徐々に十分条件のレイヤーを下げていくことである。例えば、ある個人の「減量」が目的の場合、抽象性の高い十分条件としては大きく「エネルギー摂取を減少させる」と「エネルギー消費を増加させる」の2つが考えられる。レイヤーを1つ下げると、前者の「エネルギー摂取を減少させる」ための十分条件には「食事を減らす」や「アルコール摂取を減らす」などいくつも考えられ、さらにその下のレイヤーでは、「毎回の食事の量を減らす」「一日三食を二食にする」「晩酌を止める」「禁酒する」など、その減量すべき個人がとりうるさらに多くの具体的な方法が見い出せる。後者の「エネルギー消費を増加させる」についても、その次のレイヤーの十分条件として、「運動量を増や12 http://www.ma.go.jp/j/budget/review/h30/koupro/pdf/30_siryo-8.pdf、8-2、8-3。中間目標目標最終年度-年度----27年度28年度29年度-00---27年度28年度29年度年度30年度-21中間目標目標最終年度-年度-20-00---5852,714---00---年度-----5,00030%成果目標及び成果実績(アウトカム)定量的な成果目標達成度27年度地域ブランドの機能性農産物等の市場規模成果実績成果目標及び成果実績(アウトカム)30億円目標値29年度中間目標54達成度%目標値度年82標指果成万円4--成果指標万円平成30年度末までに機能性農産物及び6次産業化による機能性農産物を活用した加工食品の届出件数を20件とする活用促進事業において、平成30年までに機能性農産物等の市場規模を4億円とする機能性農産物等の市場規模成果実績0--%健康都市づくり支援事業において、平成30年度末までに地域ブランドの機能性農産物等の市場規模を1地区あたり5,000万円とする0単位件億円機能性農産物及び6次産業化による機能性農産物を活用した加工食品の届出件数成果実績目標値件達成度定量的な成果目標成果指標成果目標及び成果実績(アウトカム)単位定量的な成果目標-根拠として用いた統計・データ名(出典)本事業の実績報告書根拠として用いた統計・データ名(出典)本事業の実績報告書根拠として用いた統計・データ名(出典)本事業の実績報告書-単位目標最終年度年度図表4:成果実績(アウトカム)出所:行政事業レビューシート、農水省HP12。

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