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4348トピックス1.はじめに利根運河は、利根川水運の輸送力を強化するため、利根川と江戸川をショートカットした全長約8.5kmの運河である。この運河は、一旦は千葉県・茨城県による公的事業として企図されたが、財源不足のために計画は頓挫してしまった。そのため、利根運河株式会社という民間の一会社によって建設された。運河会社は運河の開削工事を遂行し、1890(明治23)年から1941(昭和16)年にかけて、運河を管理していた。利根運河は、既に運河としての役目を終えているが、現在も野田市・流山市・柏市を流れている。利根運河についての研究は、川名晴雄氏による1971『利根運河誌』、北野道彦・相原正義両氏による1989『新版利根運河 利根・江戸川を結ぶ船の道』等、多くの書籍が出版されている。だが、私は現在の地形にも影響を残した一大事業が、明治初期の一民間会社によって行われたことに興味を持ち、修士論文のテーマとして利根運河株式会社を研究した。当コラムは、この修士論文を再構成したものである。「利根運河株式会社の研究」第1回 利根運河と利根運河株式会社の歴史的推移トピックス社会保険労務士藤井 洋FUJII Hiroshiプロフィール1971年生まれ 滋賀県出身千葉商科大学大学院政策情報学研究科修士課程修了中小企業診断士(千葉商科大学大学院中小企業診断士養成コース修了)行政書士出典:https://maps.gsi.go.jp/ 地理院地図(電子国土Web)※図中央の水路が利根運河図表1 現在の利根運河

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