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51482.3 ダブル・ディグリープログラムの意義ダブル・ディグリープログラムは、通常であればそれぞれの大学に4年間在籍して8年で二つの学位を得ることと比較して、一つの大学に主として在籍しつつ、同時に別の大学に在籍して短い期間と比較的少ない学修の量で二つの学位を得られるという大きな利点を持つ。学生にとっては、主として在籍している大学に多くの時間を割きながらも留学を通じてさらなる学修機会を得られること、日本と海外のそれぞれの大学での学位が得られること、海外の大学で学ぶだけでなく生活し文化に親しみ交流したという経験から、海外でも通用する能力を持つことが証明できるといった自信につながる意義がある。さらに就職においても大きな利点となり、日本と中国のそれぞれに関わるビジネスを行う企業や組織にも魅力として映る。大学にとっては、比較的短期間で二つの学位が得られるプログラムがあることが差別化につながり、付加価値となる。海外の大学との連携が強化されることで、教員へ大学間の交流への理解や参加への意識を促すことも可能となる。【…3. 本学におけるダブル・ディグリープログラムの経緯と目的…】3.1 経緯本学は、2000年より中華人民共和国(以下中国)上海市の立信会計学院(現在の立信会計金融学院、以下立信)と提携関係にあり、現在まで友好的に継続し、双方にとって利点のある関係として、多くの成果を上げている。2003年より立信で開始された信息管理学部日中協同コースでは、本学政策情報学部と連携し、夏期と冬期の集中講義を本学教員が行い、同コースを卒業した学生を、入学試験を経て政策情報学部の3年次に編入学で受け入れている。本学政策情報学部で2年間学び、多くの優秀な学生を輩出してきた。また、語学研修や交換プログラム、教員研究交流なども行われ密接な提携が継続している。2012年頃から、立信側より新たに本科生向けの日中協同コースの検討が開始され、本学にダブル・ディグリーでの連携についての提案があった。立信の学生が本学に一定期間留学し、単位互換等の設定により、双方での学位取得を目指すとともに、本学から立信に一定期間留学して同様に双方での学位取得を目指す、この実現可能性について検討が持たれた。立信はこのコース開設に当たって中国政府の認可を得るための準備を行ったが実現には至らなかった。本学から立信へのダブル・ディグリーについては、立信側はすでに海外の大学からの受け入れを行っており、本学からの受入も問題がなかったことや、本学においても文部科学省との相談で特別な認可や届け出が必要ないなど障壁が少なかったことで準備が進められ、2013年度には図1:海外の大学との交流協定に基づくダブル・ディグリー(出典: 文献3)

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