学長コラム

本学の取り組みや教育活動、学生たちの活躍などの最新情報を中心に、時折、原科学長の研究テーマである参加と合意形成、環境アセスメントに関連した話題もお届けします。

原科幸彦学長

皆さま、こんにちは。
秋学期の開始から1ヶ月が過ぎました。本学では、9月21日に秋学期入学式を行い、中国と台湾から38名の留学生を迎えました。留学を有意義なものにするために、しっかり学び、日本の文化もたくさん体験してほしいと思います。

この日は、日中交流学院の開講式も行われました。本学は中国の上海立信会計金融学院(以下、立信学院)との間でダブル・ディグリーのプログラムを実施していますが、これは本学と立信学院の両方で学び、4年間で両大学から学位の取得をめざすものです。日中交流学院は、このプログラムに参加する学生の学修を支援する機関で、立信学院への留学に求められる語学力、中国の文化、社会事情などに関するさまざまな知識の修得をサポートしています。今年度は1年生9名が選考試験に合格し、留学への準備を開始しました。

日本と海外の2つの大学から学位を取得するということは、国際的に活躍できる人材の証になります。特に中国は近年、GDPが日本を上回り世界2位を維持する経済大国となり、かつての日本が経験したような経済の著しい成長から成熟期へと向かっています。さらに、これから10年の間に世界経済のトップに立つことも見込まれていますが、このような過程は産業構造の大きな変化を伴い、新しいビジネスのチャンスも生まれます。この時期に中国で学べることは、学生にとっても大きなチャンスです。勉学に励み、日中ビジネスの発展を担う人材として逞しく成長することを期待しています。

日中交流学院開講式
日中交流学院開講式

そして、10月になると、国際教養学部生70名が海外留学へと旅立ちました。国際教養学部は、2年次の必修科目に「海外短期研修」があり、本学の協定校への留学がカリキュラムの特長となっています。今年度はアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、インド、中国の6ヶ国7大学に分かれ、10月3日から順次出発しました。12月の帰国まで約8週間、語学の授業をはじめ、現地の文化や自然などに親しむさまざまなアクティビティを体験します。滞在先は、現地の家庭にホームステイをする人もいるし、寮生活を送る人もいます。海外留学は多くの学生にとって初めてのことだと思いますが、新たな経験が自分の世界を広げるということは言うまでもありません。

また、学生は留学中に各自が設定した研究テーマの現地調査を行うことになっています。出発前の結団式では、留学先の大学ごとに代表者が研究テーマを発表してくれましたが、どれも実に興味深いものでした。いくつか紹介すると、オーストラリアの世界遺産、グレートバリアリーフの環境問題や、バグパイプに代表されるスコットランド独特の音楽文化、野球応援の日米比較などがありました。それぞれの国を象徴する独自性に注目したもの、身近なもので日本との違いや共通点を探るもの、誰一人同じテーマはありません。現地では、日本にいて本やインターネットで調べる以上の貴重な情報、データを収集することができることでしょう。帰国後の報告会が今から楽しみです。

国際教養学部結団式
国際教養学部結団式

グローバル化に対応した人材の育成が求められる今、本学でも以上のような取り組みのほか、現在まで16の国と地域の36大学と協定を締結し、さまざまな海外プログラムを提供しています。これまでの日本と諸外国の友好関係の構築は、互いの国を行き来した留学生が大きな役割を果たしてきました。留学先で学んだ知識や技術で自国の発展に貢献したり、人脈を繋ぎ両国の架け橋となって活躍した人がたくさんいます。本学の学生も積極的な海外プログラムへの参加によって、グローバル社会で活躍する礎を築くことを願っています。