1 売価還元法
これは、期末商品の評価法の1つで、期末商品を売価で把握し、これに一定の売価還元率を
乗ずることによって、期末商品原価を算定する方法である。
(1)売価還元平均原価法
期首繰越商品原価+当期受入原価総額
原価率= -------------------------------------------------------------------------------------
期首繰越商 +
当期受入 + 原 始 + 値上額 − 値 上 − 値下額 + 値 下
品小売原価
原価総額 値入額
取消額
取消額
(2)売価還元低価法
期首繰越商品原価+当期受入原価総額
原価率= ---------------------------------------------------------------------------
期首繰越商 + 当期受入 + 原 始 + 値 上 − 値 上
品小売原価 原価総額 値入額 額
取消額
* 当期受入原価総額とは当期商品仕入高のことであるが、これには仕入値引高・返品高は含まれ
ない。よって純仕入高のことである。なお、売価還元低価法を採用しているときでも、減耗が生
じたときには減耗費は売価還元原価法の原価率を用いて計算するのが論理的である。
棚卸減耗費= 売価による減耗額×売価還元平均原価法原価率
(3)税法による売価還元法
期首商品棚卸高(取得原価)+当期商品取得原価総額(当期商品純仕入高)
原価率=-------------------------------------------------------------------
当期商品販売価額純額(当期純売上高)+期末商品棚卸高(売価)
* 売上値引高が判明しているときは、当該値引高を控除しないで計算することが多い。
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2 小売棚卸法 これは、商品売買取引の処理法の1つで、商品勘定の借方・貸方とも売価で記入
する方法である。この方法を採用していれば、期末商品は売価で算出されるため売
価還元法を用いて期末評価することになる。また、期末には、未実現利益の控除を
行う必要がある。
1 商品仕入時 (商 品)
*** | (買 掛 金) ***
| (商品販売益) *** ←原始値入額
2 値上額
(商 品) *** | (商品販売益) ***
3 値上取消額 (商品販売益)
*** / (商 品) ***
4 値下げ額 (商品販売益) *** / (商 品) ***
5 値下取消額 (商 品) *** / (商品販売益) ***
(イ) 仕入値引(販売益の増加) (買 掛 金) *** / (商品販売益) ***
(ロ) 仕入返品(仕入取引の取消)
(買 掛 金) *** / (商 品) ***
/ (商品販売益) ***
(ハ) 売上値引(販売益の減少)
(商品販売益) *** / (売 掛 金) ***
(ニ) 売上返品(売上取引の取消) (商 品) *** / (売 掛 金) ***
6 決算時 (商品含み益控除)
*** / (繰延商品含み益) ***
なお、前期繰越分は戻し入れる必要がある。
(繰延商品含み益)
*** / (繰延商品含み益戻入れ) ***
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