2015.06.15 UP

大学生ならではの視点で新聞の未来を切りひらくアイデアを発表

サービス創造学部 松本ゼミナール 『イマドキの大学生×新聞 ~大学生が新聞・新聞広告を考える~』

インターネットの普及で、瞬時に情報を入手できる時代になり、新聞や新聞広告の役割も変化しています。日本新聞協会広告委員会が実施した「2013年全国メディア接触・評価調査」によると、若い世代に新聞が読まれていないことが分かりました。この結果をもとに、大学生と共に新聞の未来を探ろうと企画されたプレゼンテーション大会に、サービス創造学部松本大吾准教授のゼミ生が参加しました。

大学生が新聞を読むために

日本新聞協会が新聞離れが進む大学生に新聞を読んでもらうためのアイデアと、新聞広告の活性化策を大学生が考えて提案するプレゼン大会『イマドキの大学生×新聞~大学生が新聞・新聞広告を考える~』を開催しました。
この大会に本学から参加したのは、マーケティング・コミュニケーションを研究する松本ゼミナールの7人の学生。大学生が新聞を読まない理由や、情報取得行動の実態を探り、大学生と新聞をつなぐ新しいアイデアをチーム内のディスカッションからまとめました。
大学生である自分たちがどのように情報を取得しているか、その行動を話し合った松本ゼミ生は、情報を認知するのが新聞よりもTwitterやまとめサイトで知る“ネタ”の面をきっかけに、関連するサイトやテレビ、新聞など複数の媒体から情報を集めていることに注目。新聞記事の検索を現状のキーワード入力ではなく、ネタ情報からも可能とするサイトの創設を提案しました。

  • 「イマドキの大学生×新聞」プレゼン大会
  • 「イマドキの大学生×新聞」プレゼン大会

大学生の"ネタ"目線に対応したアイデア

このサイトは面白いネタの部分からもその情報の裏にある真相や背景を報道した新聞記事を検索でき、ニュースのさらに奥深い部分に導きます。情報の認知としての役割を担ってきた新聞を、大学生の目線に変え、情報をより深く理解する手段としていることがポイント。
また、もう一つの課題である新聞広告の活性化案もネタに飛びつく大学生の視点から「新聞広告日めくりカレンダー」を考えました。ページを2分割した左半分には広告、右半分にはその日の記念日や祝日、また、過去の同じ日に紙面を飾った出来事を掲載。右の内容と左の広告を関連させることで、毎日ネタとなる話題を提供することができます。

  • 「イマドキの大学生×新聞」プレゼン資料1
  • 「イマドキの大学生×新聞」プレゼン資料2
  • 「イマドキの大学生×新聞」プレゼン資料3

プレゼン大会の経験を今後の研究に活かす

プレゼン大会には、本学のほか、青山学院大学、駒澤大学、東海大学、専修大学から8チームが参加。各チームが2つの課題についての提案を新聞社や広告会社など関係者約250人を前に発表しました。松本ゼミの提案には慶應義塾大学商学部の清水聰教授から、「新聞がもはや認知媒体ではなく、情報収集媒体であるという視点が面白い」という講評がありました。一方で、ネタを入口に新聞を読むことで、ゼミ生が考える「知識が豊富」=かっこいい大人の理想像へと結びつけたかったことには、この点をもっと深くついてほしいとの指摘もありましたが、この大会への参加は、新聞について考えるよい機会になったと共に、他大学との交流も大きな刺激になりました。
松本ゼミ生は、新聞や新聞広告のアイデアを考案した経験を、さらなるマーケティング・コミュニケーションの研究に活かしていきます。

「イマドキの大学生×新聞」プレゼン大会

学生の声

荻久保さん

プレゼン大会の参加にあたり、私たちはチーム内のディスカッションを中心に課題をまとめました。その点ではチームとしてのカラーを出せたと思いますが、調査データに基づく分析部分は厚みが足りず、それが反省点です。他大学の発表を聞くとそれぞれ特色があり、とても参考になったとともに、まだまだ勉強をしなくてはいけないと実感しました。

サービス創造学部 荻久保 翼(南稜高校出身)

川村さん

事前に学内で200名ほど収容できる大きな教室を借りて練習をしたものの、当日はもっと広い会場でたくさんの人を前に発表したので、とても緊張しました。とくに注意したのは、原稿の棒読みにならないようにすること。100点満点とは言えないけれど、満足できる発表ができたと思います。この経験を今後に活かしていきたいです。

サービス創造学部 川村 汐美(大宮商業高校出身)

担当教員の声

当日会場にいた企業の方から「もっと詳しい話を聞かせてほしい」といった問い合わせがあるなど、今回はそれなりの反響があり、参加してよかったと思います。ゼミ生にとっては、他大学の学生と同じテーマで研究を発表し合うことが大きな刺激になったと感じています。今後もこのような機会があれば、積極的に参加していきたいと考えていますが、例えばこちらから企業に対して企画をプレゼンするようなこともできればいいなと思っています。

サービス創造学部 准教授 松本 大吾

松本 大吾 専任講師

松本ゼミナールとは

松本准教授の専門はマーケティング・コミュニケーション。テレビCM、屋外の看板、電車の中吊り、ホームページ、さらにはモバイルクーポンやダイレクトメール、イベント開催など、企業は自社の製品やサービスを消費者に伝えるために、多様な手段を活用していますが、このようなビジネスの目標達成を支援するための課題に取り組むのが、マーケティング・コミュニケーションの研究です。松本ゼミでは、マーケティング・コミュニケーションを理論と実務の両面から考察することを目的に研究活動を行っています。