現実の経済社会を幅広い視野から考察し、新しい知を想像できる人材育成に力を注いでいます

経済学研究科委員長 田野 宏

大学院経済学研究科修士課程は、経済学関係の研究者、高度専門職業人を育成するために、理論、歴史、政策、経済学関係法、外国書講読等、経済学を体系的に探究することのできる学問分野に関する科目を設置しています。そして、本研究科に入学した履修者に向けて、修士論文の作成にかかわる専修科目にあわせて、自らの研究テーマや進路に適した周辺領域の科目を選択することで、履修者個人の知の涵養と卒業後における活躍の領域が広まるようなカリキュラムやプログラムが配置されています。またこれらに加えて、グローバル社会に生起する様々な経済問題に対応できる専門職従事者の養成にも取り組んできました。
経済学研究科は1979年4月に本学に開設されて今年で40年という長い歴史の節目を迎えますが、これまでに税理士、中小企業診断士、大学教員、公務員等、多くの有為な高度専門職業人を世に送り出してきました。そして本研究科は創設41年目の2020年に、実社会での経済・交易活動における「商う(あきなう)」の本来の意味を探求する総合的で新しい商学研究科に向けた大学院の組織改編に合流し、経済学コースとして新たな門出と変革の時を迎えようとしています。従来からの税理士試験科目の免除制度の維持、中小企業診断士取得のための養成プログラムの充実等、これまでの伝統と実績を保ちながら、経済学の新領域における知の創造にむけてさらなるカリキュラムの深化をめざしていくつもりです。