消費者視点のマーケティング戦略

赤松ゼミ

消費者が求めている商品は何でしょう? そして、消費者にはその商品の情報が届いているでしょうか? 世の中にあるたくさんの商品の中には、誰もが知っている超人気商品もあれば、ひっそりと消えていった商品もあります。似た商品があったら、何を基準に選びますか?
売れる商品には売れる仕組み、つまり、何を作り、誰に、どのように伝えるかを一貫して行う企業のマーケティング戦略があります。このゼミナールでは、商品を購入する消費者の視点に立って、より効率的で効果的なマーケティングを行える力を養います。

学びのステップ

    卒業研究(4年次) 卒業論文作成!
マーケティング、消費者行動のいずれかをベースに、各自が設定したテーマについて研究し、論文を作成する。
  ゼミナールII(3年次) 消費者行動を学び、学外との共同研究も!
より効率的で効果的なマーケティングについて、消費者視点から考えるとともに、統計の読み方、マーケティングに活かす力を身につける。
ゼミナールI(2年次) マーケティングの基礎知識と考え方を学ぶ!
より効率的で効果的なマーケティングを行うにはどうすればよいか、身近な商品の事例を学び、自分なりに分析できる力を身につける。

どうしたら有名になれる? 「房総ポーク」のブランディングに挑戦!

矢作寛太さんと廣橋俊さん

赤松ゼミでは2017年度、3年生が千葉県の銘柄豚「房総ポーク」のブランディングプロジェクトに参加しています。
「美味しいけれど売れない…」「ブランド名が知られていない…」など房総ポークが抱える課題に対し、消費者から選ばれる、売れる豚肉をめざし、房総ポーク販売促進協議会とともに、そのアイデアを考え、知名度の向上をめざす取り組みです。
2年生の時に学んだマーケティング知識の実践、若者ならではの消費行動の特徴をブランディングに活かそうと、ゼミ生の中心メンバーとして活動しているのが矢作寛太さんと廣橋俊さんです。

買ってもらう」より「知ってもらう」

皆さんは房総ポークを知っていますか? ブランディングプロジェクトに参加することになった時、私たちゼミ生の中で房総ポークを知っている人は一人もいませんでした。一人暮らしでもなければ自分で豚肉を購入することもないし、また、販売店も限定されていて、房総ポークを知る由もないというのが率直な感想でした。商品の購入にはそれを「知っている」ことが買うきっかけになると思います。4月にプロジェクトのキックオフが行われてから、養豚場の見学や試食会に参加しながら、房総ポークの生産方法や味の特長を理解した上で、どうしたら皆さんに知ってもらえるのかを念頭に、ブランディングのアイデアを考えています。

養豚場見学
養豚場見学

房総ポークは柔らかく、クセのない味が特長です。つまり、すごく食感が良くて、茹でた時にアクがほとんどでません。試食会では一般的な国産豚、外国産豚と食べ比べをしてみましたが、食べやすさ、味の良さが房総ポークは抜群でした。しかし、美味しいだけでは売れないんですよね。協議会の方々からは「若い世代にアピールしたい」という話を聞いていますが、銘柄豚は値段も高くなり、私たちのような学生の多くはそこまで食にお金をかけないという現状があります。だとすれば、主婦層や高齢者層をターゲットに考えた方がよいのかなと思います。食の品質、安全性を重視し、さらに、それにお金を使うことができるとなると、若者へのアピールよりも可能性があるのかなという感じを持ちました。

それでは、どうやってターゲットに向けて情報を伝えていくか。ものの良さを知ってもらうためには、試食の機会を設けることも必要です。そこで11月の学園祭でイベントを企画し、試食した方のアンケート調査を実施しました。意見や感想を売り方のアイデアに活かせるように声を聞きました。今、情報発信はSNSが主流ですが、情報を受け取る人は意外と限定的だとも思うので、誰の目にもつくようなポスターやチラシでもアピールしたいと考えています。今年度の活動は、3月に行われる全国規模の商談会をゴールとしているのですが、その時に全国の方々から注目されるような売り方ができるように、頑張っていきます。

瑞穂祭販売
瑞穂祭販売

どんなゼミ?

とても楽しく、フレンドリーな雰囲気の中、勉強はしっかり取り組んでいます。これまで、コンビニやファストファッションといった私たちにも身近な業界のマーケティング戦略を調べて発表したりしました。効果的な資料の作り方、発表の方法、グループワークなど、社会人として必要な力も身につきますよ。また、私たちはコンビニやスーパーでアルバイトをしているのですが、マーケティングや消費者行動の知識を活かして商品の仕入れや陳列をしてみて、実際に商品が売れると本当に面白い。社会で役立つ知識を得ている実感があります。

教員の声

権 永詞准教授

学生たちは言われたことをきちんとこなす素直さがあります。それだけ吸収力も高く、成長が目に見えることを嬉しく思っています。
今、学生たちは房総ポークのブランディングに挑戦する中で、伝えるべきことは何かを意識して取り組まなければいけないことを感じていると思います。伝えたいことに対して、しっかり調べて、分かりやすく発表する、アウトプットは非常に大事なことです。房総ポーク販売促進協議会をはじめ、共に活動する他ゼミに対しても、自分たちの考えをまとめ伝えていくことを続けるうちに、グループでの作業の質も高まり、ピリッとした雰囲気になってきました。房総ポークの現状、豚肉の購入に関する消費者の意識と行動のデータ、地域特産品のブランディング成功事例などを検討し、3月の商談会に向けて房総ポークの価値とは何か、そして、その価値を消費者に分かりやすく伝えることができるようになってほしいです。