芸術・メディア・表現

楜沢ゼミ

価値観が多様化するいま、自らの世界観をどのように表現するのかを学びます。表現するための手法は、絵画、映像、アニメ、マンガ、オブジェ、写真、音楽、文学、またはそれらを組み合わせた独自の表現形態などさまざまありますが、どんな手法を用いるのかを探り、各人がそれぞれの表現を追求し、プロとして通用する専門的な知識と力を身に付けていきます。 必要に応じて、映像制作に必要なクレーン、ステディカムなど特機の使用技術、フォトスタジオの本格的な設備を使用したスチール撮影技術など、すぐに実践の場で役立つ技術を学べるのもこのゼミナールの特長です。 表現の世界では、制作したものを発表しなければ意味がありません。本ゼミナールでは最終学年時に学生たちが自ら企画して行う卒業制作展で発表するとともに、実社会で作品を発表することもめざします。

学びのステップ

    卒業研究(4年次) 卒業制作展を開催!
ゼミナール1、2で各自が学んだことの集大成として卒業作品制作を行い、卒業制作展を開催する。
  ゼミナールII(3年次) 制作スキルを磨き、作品の価値を高める!
専門性を高めた制作を行い、作品としての価値と各自のスキルををより深める。また、インターンシップやイラスト等の出版社への持ち込みなどを積極的に行う。
ゼミナールI(2年次) 自分に合った表現手法を探り、基礎を学ぶ!
絵画、映像、アニメ、マンガ、オブジェ、写真、音楽、文学などの中から自分がどのような表現をするのか、その手法を探し、制作・発表するための基礎を学ぶ。

プロジェクションマッピングで仲間とともに夢への第一歩を踏み出す

小島聖夏さん、村上有希乃さん、加瀬美月さん

2年生の小島聖夏さん、村上有希乃さん、加瀬美月さんは、1年生の時からの友人同士。小島さんは「小さい頃から習っているダンスとプロジェクションマッピングを組み合わせた表現をしたい」という思いで、村上さんは「メディア関係の仕事、特に音楽に関係する仕事に就きたい」という将来を描き、加瀬さんは「好きなアーティストのコンサートで見たプロジェクションマッピングの表現を自分でも手がけてみたい」という夢を持ち、楜沢ゼミを選びました。
3人は、ゼミが開講されてからすぐにプロジェクションマッピングの企画を立ち上げ、夢への第一歩を踏み出しました。

プロジェクションマッピングのテーマは「春夏秋冬の星座」

ゼミ風景

楜沢先生のゼミに入ってからすぐに、3人で何か一緒にやりたいねと話していて、じゃあ一緒にプロジェクションマッピングと音楽を掛け合わせた表現をやろう、と企画を考え始めました。
作品のテーマは「春夏秋冬」としました。私たちにとって初めての作品作りだったので、日本の四季をテーマにすることで、見てくださる方々にも身近に感じてもらえ、表現として分かりやすく伝えられるかなと考えました。そこからテーマを深堀っていくうちに、「春夏秋冬」と「星座」を組み合わせてはどうかというアイデアが出て、「春夏秋冬の星座」を表現することにしました。

ある程度、企画内容が固まったところで、映像を投影する場所選びをしました。学内をあちこち歩き回って、イメージしている映像を映し出すのに最適な場所はどこかと探し、体育館の壁を使うことに決めました。2階部分の白い壁に星座を、3階部分の赤茶色の十字型の鉄格子が設置されている部分には流れ星の映像を投影する計画です。どんな建物、どんな壁を使うかがプロジェクションマッピングのポイントでもあるので、この体育館の壁面をうまく使って表現できればと考えています。
その後、絵コンテを作成してストーリーが固まったので、今は実施に向けて映像制作を進めているところです。今まで使ったことがない、「Adobe After Effects」や「Adobe Premiere Pro」といったアプリケーションと格闘しながら映像を作っています。投影するための機材の使い方も覚えないといけないので大変です。
音楽に関しては、テーマや映像と合うように既製の楽曲にアレンジを加えています。今までは、音楽は好きなもの、楽しむものでしたが、そこから一歩進んで、プロジェクションマッピングとの組み合わせでどう演出するか、見てくれる人にどう楽しんでもらうかということを考えながら作品作りをしています。

また、学内でプロジェクションマッピングを実施するにあたり、先生方にプレゼンテーションを行いました。先生方からは、自分たちでは気付かないを指摘されて、よい気付きになりました。
今後は、いろいろな技術を身に付けて、よりよい作品を作れるようにしたいと思います。例えば、プロジェクションマッピングとレーザー光線を組み合わせた演出、見に来てくれた人も参加できる「触れると光る」、「通ったら映像が映る」など体験型のプロジェクションマッピング、好きな曲をミックスして新たな曲を作り出すなど、1つひとつアイデアを形にしていきたいと思います。

どんなゼミ?

ゼミ風景

このゼミは、外部から依頼された案件やオープンキャンパスで出展する作品などの制作をそれぞれが行っていますので、ポスターを制作している人の隣で映像の編集をしている人がいる、といった感じです。楜沢先生には制作の途中途中でアドバイスをいただきます。基本的には、すべて自分たちで考えて作っていて、自分たちにとってはイメージ通りだと思っても、時には厳しい意見をもらいます。「おかげでメンタルが強くなりました」と村上さん。でも、作品の質を高めてよりよいものにするために、ありがたいことだと思っています。

教員の声

楜沢 順教授

このゼミでは、表現することを通じて「1人で生きていける力」を身に付けて欲しいと思っています。クリエイターというのは、自分自身が商品なので、その商品価値を高めなければなりません。そのために、私は積極的にインターンシップや作品の制作依頼の案件をゼミに持ち込んで、できるだけ学生が制作の現場に携われるようにしています。今までも映像制作など、有償、無償含めて、学生たちはさまざまな作品を制作してきました。大学の授業の一環でありながら、とても実社会に近いゼミだと思います。 1つの企画、作品を実行、制作するということは、1つひとつの面倒な作業を積み重ねていくということです。小島さん、村上さん、加瀬さんの3人グループは、今回プロジェクションマッピングに挑戦するということで、この1つひとつの作業を丁寧に進めていると思います。今後は、いい意味で手を抜けるところと抜けないところの見極めができるようになって欲しいですね。この辺の判断を1人でできるようになれば、さらに成長できると思います。