RSS中小企業支援研究創刊号
27/60

INTERVIEW事業承継について前田 ご家族、ご夫婦で今日の桔梗屋さんを築いてこられましたが、今、中小企業の課題でもあります事業承継については、御社の場合いかがですか。中丸相談役 当社の場合、次男が専務としてすでに経営に参画していますので、準備は出来ています。前田 中小企業の場合、せっかくの技術やノウハウが継承されず、非常に残念なケースがありますが、事業承継する時に何が大事でしょうか。中丸相談役 そうですね。やはり資質ですね。資質がないと難しいですね。あとは教育ですね。教育は、一緒に仕事をやりながら教える事ができます。この点は社員にも言える事ですね。楽しいこと、新しいことをやってみようと思う資質をもった人材が育つこと。ただ、そのような人材ばかりでもうまくいきません。一方で、何事にも几帳面にしっかりと仕事をこなせるような人材も必要です。当社も事業が拡大してきましたので人材は不足しているのが現状です。内部で育った人材もいますが、内部だけではここまでの事業拡大は難しいと思います。そのような中で外部から色々な業種経験者が中途入社で入ってきます。内部と外部と、それぞれの人材が融合して全体でプラスになります。ただ、事業環境も日々変化していますので、当社でも10年前、20年前と同じ考えで仕事をしていくのは無理ですね。前田 中小企業の事業承継では、やはり子供に継いで欲しいと思う気持ちが強いと思いますが、その点はいかがですか。中丸相談役 やはり、子供が継いでくれるのはうれしいですよ。当社の場合、子供が継いでくれるので、恵まれていると思います。前田 ただ、世間ではそのようにならない場合が多いと思いますが・・・。中丸相談役 なによりも会社に魅力がなければいけないと思います。実は、私自身、子供のころは、親の苦労ばかり見てきたので、継ぎたいとは全く思っていませんでした。ただ、当社の桔梗信玄餅の開発の場合もそうでしたが、やはり、ポイントは、新しいことに挑戦している中小企業は、子供が継いでいる場合が多いですね。前田 そうですね。ただ、昔ながらのことをそのまま引き継ぐのでは魅力はないですね。そこには、自分がやれる新しいこと、時代に合った革新も必要ですね。中小企業の経営者はみなさん夢を持っていますが、中々そこまで達成できないのが現状だと思います。今日のお話は、参考にしていただけることがたくさんあったと思います。本日はお忙しいところ大変ありがとうございました。ハイジの森と温泉施設計画■会社概要会社名…………株式会社桔梗屋本社……………山梨県笛吹市一宮町坪井1928番地資本金…………3,000万円創業……………明治22年会社設立………昭和27年事業内容………和洋菓子の製造販売桔梗信玄餅の製造販売銘菓・県産品卸及び販売年商……………グループ全体で60億円(2010年3月期)従業員…………700名取締役…………代表取締役社長 中丸 輝江相談役…………中丸 眞治関連会社��株式会社ハイジの森/株式会社ハイジの野菜畑/株式会社マーケティングシステムズ/有限会社カイデザイン設計/有限会社山梨パッケージ/有限会社信玄本陣/有限会社水琴茶堂■経営理念~桔梗屋の歩むべき道~伝統に安住せず、常に新しい「美味しさ」「楽しさ」「美しさ」そして「健康」を追求する25中小企業支援研究 Vol.1■インタビュア前田 進……千葉商科大学大学院商学研究科客員教授(株)マネジメントコア前田代表取締役魚路 剛司……中小企業診断士(千葉商科大学大学院中小企業診断士養成コース修了)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です