RSS中小企業支援研究創刊号
31/60

INTERVIEW前田 お客様への訪問は月に何回ぐらいでしょうか。山口 お客様を9分割して、ある程度のお客さんは、月一回は伺うことにしています。前田 なるほど、価格志向ではなく、地域に密着して、ですね。家や電気製品の周りに関わる困ってる事は沢山ありますから、訪問することが大切なんですね。山口 そう。電気屋ですから電気のことは当たり前、困りごとの手伝いは、「裏サービス」って名をつけました。最近だったらおもてなしとつけたかも知れないですが。前田 それは付随するサービスということですね。山口 他に、金、プラチナの買い取りとか、米や酒、食料品の販売許可等、正式に全部取ってます。米も新潟の長岡に契約して作ってもらっている田んぼがあって、それを全部買い取って売っています。ぷらっとお客が遊びに来て、電気機器の販売はそんなに時間がかかる訳じゃないし、今日は焼酎でも1本買って帰るかなんて方もいます。前田 当社は月に何回もイベントをやってらっしゃいますね。山口 毎週土日にやってます。11月は男爵祭りといって、会員さんに北海道のジャガイモを配るんですよ。カツオは毎年6月、千葉のカツオ。後はさんま祭りとかね。前田 今、固定客はどれ位いらっしゃいますか。山口 大体9,500世帯ですね。今、月90世帯位増えていますが、人間寿命がありますからあちらへ行く人もいる。お年を取って子どものとこに行くとかで、1割が減って1割が増えている。だいたい1割のお客さんが入れ替わっていくように思います。前田 ご参考までに、売上を伺ってもよろしいですか。山口 今年はテレビが売れなくて売上を落とし10億500万円です。バブルの時は16~17億円。量販店が出てくる前の安売りをしていた時なので、結局3期連続の赤字でした。今は10~12億円位で落ち着いています。2012年は地デジが終わりテレビが売れない年でした。ここへきて少しテレビが売れ始め、少し伸びてくると思います。前田 地元に密着すれば高くてもちゃんとした商売ができるということですね。山口 最近はあちこちの商工会議所をはじめ2013年1月から12月までで58回、月平均4.8回、このヤマグチの話をしてくれと依頼があります。北海道から九州まで。事実のことなので、いろんな先生方の話もいいけれど、山口さんの話もいいなんて言っていただきます。後継者づくりが課題前田 中小企業の課題といわれる後継者問題についてはいかがですか。山口 私もこの年なので、パナソニックに頼んだら、費用がかかりますけど出向で1人来てくれることになり、営業では、専属で2人来てもらい助かってます。前田 お子さんもいらっしゃるんですか。山口 うちは2人とも女なので孫に期待していいのかな。本当は子どもがいいんだが苦しい時代もあったので、電気屋なんか儲からないと思っているかもしれません。前田 社員の方にもそういう人材がいらっしゃるのではと思うのですが、後継者に考えてもいいんじゃないでしょうか。山口 そうですね、当社でも、もう20年も30年も働いてくれた人が何人もいます。前田 本日はお忙しい中、長時間、貴重なお話をありがとうございました。■企業概要会社名…………株式会社ヤマグチ(でんかのヤマグチ)創業……………1965年5月5日年商……………10億円従業員…………48名(内パート8名)商圏……………町田市全域、旧相模原市登録顧客………約9,500世帯2013年3月31日現在 TVはパナソニック系列の1店舗で販売台数は日本一。1996年 町田市内に初めての店舗をオープン。1979年 町田市内の3店舗を1店舗に集約し、現在の本店をオープン。1997年 独自の戦略で粗利率を前年比10ポイント以上高め、39.8%を実現。29中小企業支援研究 Vol.1■インタビュア前田 進……千葉商科大学大学院商学研究科客員教授(株)マネジメントコア前田代表取締役折笠 勉……中小企業診断士(千葉商科大学大学院中小企業診断士養成コース修了)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です