RSS中小企業支援研究創刊号
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調査報告私は平成25年4月~10月にかけて館山商工会議所の依頼を受け、中心市街地活性化に関する研究事業に参画し、学識経験者として「館山市中心市街地活性化報告書」の策定に協力した。中心市街地活性化に向けた取り組みの中で、環境整備に関わる事項を中心にその概要をレポートしたい。1.館山市の現状館山市は、房総半島の西南端に位置し、西部は鏡ヶ浦を抱いて東京湾に、南部は太平洋に面して31.5kmにわたる海岸線が続き、変化に富む景観を有している。館山市の商業地は、JR館山駅を中心に広がりをみせており、館山銀座商店街は観光市を標榜する館山市にとって玄関口としての役割を担っている。しかしながら、モータリゼーションの進展と相まって、郊外型の大型店の進出による、売場面積の増大と商圏の縮小傾向が影響し、中心商業地の地盤沈下傾向に歯止めがかからない現況が続いている。一方、アクアラインが開通し、館山自動車道の全面開通は、高速バス路線の拡充をもたらし、上位都市への購買力の流出はあるものの、東京や横浜など首都圏の有力都市からの観光客の来街条件は整備されつつある。館山市の人口は、平成23年10月1日現在、49,925人となっており、65歳以上の老年人口比率は31.2%である。館山市の商業をみると、平成19年度商業統計によれば小売業は、商店数702店、従業員数4,150人、年間販売額56,790百万円であるが、小売業の商店数の伸びは、平成16年対比19年では11.6%減少しており、従業員数や年間販売額もそれぞれ1.6%、7.8%の減少となっている。これに対し売場面積は、31.4%伸びており、大型店出店の影響と考えられる。館山市都市計画マスタープランによれば、近県他都市との広域的連携機能や安房地域の他市町との地域間連携機能の強化を図るため、幹線道路網の整備を促進する方向であるが、一方、都市計画道路については、交通量をはじめとする社会情勢の変化等を踏まえ、道路網全般にわたり見直しを行うと記されている。館山市中心市街地活性化レポート大塚 愼二N50km100km凡例020406080100km高速道路東北自動車道関越自動車道館山自動車道横浜横須賀道路常磐自動車道東関東自動車道千葉東金道路館山市東名高速道中央自動車道上越自動車道首都圏における館山市の位置図30中小企業支援研究

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