RSS中小企業支援研究創刊号
57/60

『中小企業支援研究』編集委員長前田 進55中小企業支援研究 Vol.1 本誌は、千葉商科大学経済研究所の中小企業研究・支援機構の研究員を中心に、中小企業に関係する研究の成果及び情報を公開し、中小企業の発展と学術の向上に寄与することを目的として、新たに発刊されることとなった機関誌であり、本号はその記念すべき創刊号である。 創刊にあたっては、編集委員会での度重なる検討はもとより、その間、千葉商科大学学長島田晴雄先生、経済研究所所長上山俊幸先生、中小企業研究・支援機構長齊藤壽彦先生をはじめ、多くの方々のご指導、ご支援とご協力をいただいた。本日、ようやく創刊にこぎつけられたことを、この場をお借りして深く感謝申し上げたい。 今日、社会・経済がグローバルに進展していく中で、わが国の97%以上を占めるといわれる中小企業においては、円高・世界景気の減速化、及び未曾有の震災の影響などにより、その基盤となる地域、産業が大きく変化している。その結果中小企業は、これまでにない経営問題に直面するところとなっている。これらを鑑み、政府も中小企業等の再生・経営支援の促進をはかるべく金融、人材、インフラ整備等、多方面からきめ細かな対策を講じるとともに、新たな経済成長策を打ち出している。 このような中で、わが国及び地域の活力の源泉である中小企業の活動課題は、変化の中にビジネス機会をとらえる新たな視座をもった起業・創業、既存企業の新たな活路を見出す新事業展開、歴史的に蓄積してきた企業の中核的な能力である伝統技術を蓄積するための事業承継、企業経営の重要なエンジンとなる情報技術の活用等々である。そしてグローバル競争の中で中小企業が存続・成長・発展していくためのキーワードは、受け身の経営や単なる拡大志向ではなく、まずは安定した経営を前提とした“自力自己変革”であり、“個性の発揮”である。小さくても魅力的で、強い企業経営についても検討されなければならない。 これらの視点から、『中小企業支援研究』創刊号では、新たな社会経済の動向、それに対する中小企業施策の特集、中小企業のトピックス、経営改善に関する学術論文、企業の成長に向けたリーダーシップに関する研究、地域の活性化に関する調査報告など、多様な研究成果を紹介することができたのではないかと思う。さらに今回は創刊を記念して、家族的な小規模企業から地域を代表する企業に成長した株式会社桔梗屋、量販店との熾烈な価格競争の中にある家電業界で、高収益企業としての地位を確立した株式会社ヤマグチの両企業の協力を得て、中小企業の魅力をテーマに経営者インタビューを行うことができた。 創刊号ということであり、十分に意を尽くせない部分もあるが、次回以降も中小企業の発展に関わる研究報告及び中小企業の経営再建を含む支援や経営強化のための情報提供等を企画していきたい。編集後記

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です