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9小原:「パッキング」というワードからは何を作られているのかが良くわかりませんでした。横山:最近はパッキン製造だけの仕事をさせて頂いているわけではありません。でも、どんな仕事をしているかと言うと、やはりかなり説明に困る、説明しにくい事業です。創業当初からやっていることとして「打ち抜き」と「手加工(ハンドメイド)」はやっていました。小原:「打ち抜き」や「手加工」は当時どんなものをつくっていましたか。横山:様々なパッキン、ガスケットや、装置のゴム足、両面テープ、フィルムなどの加工です。素材として昔多かったのはゴムシートやゴムスポンジですが、徐々に比率が下がってきており、放熱性や高弾性、防音性などの機能を持った材料が増えてきています。当社で製造した製品は、防衛や通信などの産業でご使用いただくことが多いようですが、最終的に何に使われているかまでは判断できないものもたくさんあります。創業時から続けている打ち抜き加工に加えて、現在はカッティングマシンや液状ガスケット塗布ロボットを複数導入しており、加工の幅を広げています。 カッティングマシンは打ち抜きで必要な「型」が不要ですので、型製作に要する時間を短縮ができ、CADデータを使用するため形状変更にも対応しやすいです。また、型抜きでは不向きな厚い材料の加工が得意です。現在は3台稼働しています。 液状ガスケット塗布ロボットでは、手加工では不可能な精度で接着剤やシール材を精密に吐出、塗布することが可能です。最初の導入から20年以上が経ち、技術的ノウハウも蓄積されましたし、車載品の試作、医療、通信などの業界で幅広い実績があります。ガスケットマシン抜き打ち型の保管棚人の「やらない」を仕事にする成長を支え続けている源泉とは横山:当社の仕事は、一見すると機械さえあれば誰でもできてしまう錯覚さえ覚えてしまいますが、実際は奥深いノウハウがあり、((切る+塗る)×技術力)×対応力で成長しています。小原:どのような「強み」や「ノウハウ」があるか少し教えてください。横山:例えば、打ち抜き加工一つとってみても、材料の硬さや厚み、形状などで型の仕様や打ち抜き方法など様々な選択が必要です。型の刃の種類も複数ありますし、打ち抜きのスピードや刃を入れる深さなど、様々です。硬く厚い材料は打ち抜きが向かないのでカッティングマシンを選定することもありますし、場合によっては手加工が向いている場合もあります。色々な加工方法の中から最善の方法を選択しています。小原:材料の大きさや厚みなどで使う機械を変える判断は大変ですか。横山:カッティングマシンに用いる刃物はカッターナイフのような引いて切るタイプのものや丸い形状のロータリーカッターなどがあります。打ち抜き加工の場合はビク型を用いての押切りになりますが、どちらも刃の長さや厚みを選択して使用していまINTERVIEW

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