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 合資会社羽生惣吾商店は、千葉県香取市にある創業大正14年の農業関連商社です。香取市周辺は、千葉県トップの米生産エリアで、多くの米農家の方々が農業を営んでいらっしゃいます。同社は、米農家のお客様のご要望を伺い、時代に合わせたニーズに対応したサービスを提供してきました。代表である羽生惣亮氏は、26歳で同社に入社してから常に事業の最前線に立ち、現在、4代目の代表としてご活躍です。今回は、羽生社長より、これまでのご経験の中からお話を伺いました。14木原:御社は、100年続く歴史のある会社である羽生惣吾商店の経営をされてこられましたが、これまで様々な困難をご経験されたかと思いますが、これまでの御社の歴史と事業の変遷をお聞かせください。羽生:当社は、千葉県旧佐原市(現香取市)で大正14年に創業し、約100年の歴史があります。創業者は、私の曽祖父の羽生惣吾です。私は、当社の4代目社長となります。羽生家は、元々は茨城県行方市富田のあたりで西暦1200年頃から庄屋を営んでおり、庄屋の歴史から数えると私は38代目となります。古い資料は焼失して無くなっていますが、江戸から明治にかけて、現在の旧佐原市に出てきて商売を始めたと聞いております。富田から旧佐原市に出てきた理由は、富田のあたりでは庄屋が成り立たなくなったためと聞いており、先祖も制度の廃止などビジネス環境の変化に対応して、ビジネスエリアと事業ドメインを変化させたのだと思います。大正14年の創業時は、稲作の肥料の販売や米の物流、小売りなどを行っていたと聞いております。昔は「食糧管理法(食管法)」などで、国が米の流通を管理して価格調整を行っていましたので、新規参入が非常に難しい商売でしたが、長年の庄屋としての歴史もあり信頼を得ていたようで、米に関する商売に参入することが出来ていたようです。その後、平成7年に食管法が廃止され、米の自由化が進みました。米の自由化により、古い体質の会社は、事業が立ち行かなくなったところも多かったと聞いております。しかし当社は、当時も米農家のためになることをお客様のご要望を聞きながらニー合資会社羽生惣吾商店 羽生惣亮社長社長プロフィール1980年1月、千葉県香取市生まれ。成田高校、千葉商科大学を卒業後、名古屋市の企業に勤め、26歳の時に合資会社羽生惣吾商店へ入社。以後、地域の米農家のお客様と二人三脚のビジネスを推進し、「農家と共に」という理念を元に事業を拡大してきた。具体的には、米農家向けの「肥料の販売」や「米の集荷・加工」等のビジネスを主力としながら、「ドローン事業」や「人材派遣」など農家が必要としている新規事業を拡大し、事業の多角化を進めている。また、高校・大学の時に野球選手として活躍し、現在、香取ベースボールアカデミーの香取リトルシニア(中学生の野球チーム)の監督を務め、2022年には日本選手権に出場するチームにまで育てた。米農家のお客様のご要望を聞きながらニーズに合ったサービスを提供経営者インタビュー【合資会社羽生惣吾商店】経営者インタビュー【合資会社羽生惣吾商店】「農家と共に」という理念を元に、米農家のお客様の要望に応える企業経営XECUTIVE

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