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15ズに合ったサービスを展開していた結果、事業の多角的が進んでいました。米の自由化によって米農家の競争が必要となってきたことから、当社のサービスへのニーズが高まり、成長が加速されたと聞いております。前田:具体的には事業分野をどのように展開されてきましたか。羽生:米の集荷業者や卸業者も多いので、事業エリアを香取市周辺に絞り、集荷、加工、卸まで総合的に関わり、その分野で戦ってきました。前田:羽生家の長い歴史の中、創業前は事業エリアとドメインの変更を行い、創業当初から食管法が廃止されるまでは安定的な企業経営が出来ていた後、米の自由化という事業環境の変化の中、多角化により変化に対応してこられた訳ですね。何かヒントとなることはありますか。羽生:当社は、「農家と共に」という理念があって、米農家のお客様のためになる業務を多角化してきました。米農家のお客様からの依頼は、基本は断らないようにしていますし、農家のお客様のためにやる必要があると感じる事業はやるようにしています。例えば「ドローン事業」は、米農家のお客様にとって、「米の生育に合わせた適切なタイミングでの農薬散布」が重要であって、強いニーズがあることがわかっていました。農薬散布が早すぎると効果が薄く、遅いと病気や虫に食べられたりします。またドローンで農薬散布をすれば従来の手法よりも効率的で低コストです。しかし、ドローンをビジネスとして行っている業者に頼むと適切なタイミングでの農薬散布が断られる事もあり、またコストが割高になりがちでした。当社の米農家のお客様は高齢化が進んでおり、高齢の農家の方も農業が続けやすいようにドローン事業で効率的な農業経営のサポートができればと思いドローン事業を開始しました。米農家の方にとっては、従来よりも安いコストで農薬散布をすることが出来ますので、喜んでもらえていますし、当社も米農家のお客様に利益を出していただいた結果、売上を頂くことが出来て、相互にメリットがある事業となっております。当社の新規ビジネスは、米農家のお客様のためになることを考えることで、新たに「スマート農業」や「人材派遣」や「IoT農業」等のビジネスを行い事業の多角化を進めています。事業ドメインについては、こだわりはなく、理念に沿ってさえいれば、柔軟に取り組んでいきたいと思っており、当社の柔軟な社風にもつながっているものと思います。従来の米農家は、「農業経営」についてはあまり関心がなく、「米をちゃんと作って農協に収めて終わり」という考えもありましたが、近年、農業の経営環境も厳しくなってきました。そのため、「肥料にかかるコストの削減」や「効率的な労働力の配置」や「適切な帳簿の作成」等の必要性や重要性を理解してもらえるようになったため、今後はより当社のビジネスが広まってもらえればと思っています。本社建物倉庫外観INTERVIEW

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