RSS2023
19/58

17の検討をした後、事業化できそうなものをより具体的な形で従業員に伝えるようにしています。木原:新規ビジネスの糸口をどのように見つけられていますか。羽生:新規ビジネスの糸口は、お客様の困り事の解決方法を考えることから見つかると思っています。例えば、当社の顧客である米農家は、農業の担い手が減少傾向となっております。今後、農業の担い手が減少していると、農業が出来なくなってしまうのではないかと考えております。当社は、農業の担い手が少なくなっても、農業が続けられる解決方法を考えなければならないと思っております。そのように考えることで、「ドローンという新しい商品を活用して農薬散布に活用してみようか」や「外国人労働者の派遣制度を活用して外国の方に日本の農業を学んでもらおうか」や「ITの推進を活用して農業にITを活用してみようか」や「地域の耕作放棄地問題を解決するために、耕作放棄地で新しく農地をする方法を考えてみようか」といったアイディアが出てきます。これらのアイディアをどうやって、お客様の商売に活用していただけるのか具体化することを考えると糸口が見えてきます。については、現在、息子が野球チームに入団しているため、うまく両立が図れているのかと思ってい ます。経営者としてビジネスとプライベートの時間の両立木原:羽生社長はご多忙ですが、どのようにビジネスとプライベートの切り分けをされているので すか。羽生:私は、ビジネスとプライベートの時間を切り分けていません。私は、アイディアを生み出すのが好きなのですが、アイディアもどんどん出てくるものではなく、「人と会って話していく」という中でふと沸いてくることもあります。現在、香取ベースボールアカデミーの香取リトルシニア(中学生の野球チーム)の監督をやっていますが、スポーツを通した経験からアイディアが生まれることがあり、ビジネスに活かせています。しかし家族には、負担がかかります。当社が長年続いた羽生家の家業であったりもするため、家族には何とか理解をもらえています。また野球チームの監督とプライベートの両立域内経済の活性化を通してビジネスの拡大前田:お話を伺っていると、米農家のお客様との取引を深化し「域内の経済循環」を活性化することで、ビジネスを拡大している状況がよくわかります。「域内の経済循環」を活性化させる手法でこだわっていることはありますか。羽生:当社のビジネスは、米農家のお客様への「御用聞き」をする非常に泥臭いビジネスです。また米農家のお客様は、事業者数にも限りがあり、また収入も収穫量と比例するため上限があり、全体の市場規模が大きく増えるものではありません。そのため当社は、お取引する米農家のお客様と何回もビジネスを重ねていくことが大切だと思っております。肥料を販売して終わりだったり、ドローンで農薬散布して終わりだったりすると当社の収益に限界がありますので、「人材派遣」や「記帳代行」等、農業ビジネスに役立ち、必要なサービスを多数展開することで、お客様と取引を多層的に増やせば、売り上げを伸ばすことが可能です。このような「域内の経済循環」を深めて、またそれを近隣の取引のない農家のお客様に広げることで、ビジネスの拡大を目指したいと思っています。また当社のビジネスドメインは、人の生活に深くかかわっている事業だと自認していますので、地域の生活に根差したビジネスインフラを整理している重要な仕事ととらえて全社員で事業に取り組んでいます。地域のスポーツ貢献を通した人材育成のヒントの獲得前田:御社の業歴は長く、非常に優秀な従業員と協力して、安定的な企業経営をされていると思います。何か、人材育成などの点でヒントになることはありますか。羽生:私は、中学生の野球チームの監督として、子供たちからアドバイスを求められた時に、「ヒン

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る