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19行者ということで、差支えのない範囲でドローンビジネスの将来展望について教えてもらえないでしょうか。羽生:私は、ドローンビジネスがニッチマーケットと考えており、市場の急拡大はないと考えています。農業の肥料散布だけを目的としたら、すでに市場は飽和していると言われています。木原:例えば、不動産のビジネスで、ドローンで写真を撮る等についてもドローンが風に流されて綺麗な写真が撮れない等で、あまり浸透していません。測量のビジネスなどでもドローンの利用が進んでいますが、何センチレベルの正確な数値が欲しい場合にドローンでは、誤差が生じるため、限定的な使用にとどまっています。羽生:ドローンビジネスで成功している事例が少ないのは、各分野のドローンビジネスのマーケット規模が小さいためビジネスが成立しにくいことが原因かもしれません。 当社は、耕作放棄地の再生事業も行っていますが、耕作放棄地になるような土地の境界は、不明瞭です。昔は境界標が設置できなかった時は、樹木を植えて境界としていたようですが、耕作放棄地なので境界に植えられていた樹木もなくなってしまったりして、境界が全く分からない場合があります。耕作放棄地の敷地規模は一反(300坪)程度の小さい区画なのですが、その規模では効率的な農業が出来ないので、2町(6000坪)程度にまとめて耕作放棄地の再生事業を行いたいと考えています。しかし土地をまとめると、境界に設置されていた木を撤去しなければ農業の邪魔になってしまいますが、撤去すると境界が分からなくなる問題があります。そこで最近は、基準点を決めて、土地をドローンで写真測量して、境界標が無くても基準点からの距離から境界を定めることが可能となっており、境界標や樹木の設置が不要になるケースがあります。このように大規模な農地で測量をするときは、ドローンが活用されるケースがあるかと思います。左から、木原、羽生社長、前田        米等の冷温貯蔵倉庫業、ドローン関連事業本社……………〒287-0001千葉県香取市佐原ロ2116-9連絡先…………TEL:0478-52-2212        FAX:0478-52-5853URL…………https://hanyusogosyoten.co.jp/創業……………大正14年(西暦1925年)従業員…………約30名(グループ全体)売上高…………約30億円(グループ全体)■インタビュア前田 進……千葉商科大学大学院商学研究科客員教授       中小企業診断士■インタビュア及び原稿執筆木原 工……千葉商科大学大学院商学研究科客員研究員販売、精米販売■会社概要会社名…………合資会社羽生惣吾商店事業内容………農業用資材販売、検査証明付米穀等の仕入

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