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20千葉県信用保証協会(以下「当協会」という)は全国に51ある信用保証協会の一つとして昭和24年4月に設立された公的機関で、「信用保証」による金融支援を主たる業務として中小企業がライフステージの様々な局面で必要とする多様な資金需要に対応してきた。信用保証協会は、平時における金融支援に加えて災害や経済危機時における金融支援にも力を発揮し、令和4年11月末時点で県内中小企業の40.5%、48,936者に当協会を利用していただいている。平成30年4月の信用補完制度の見直しにおいて「経営支援」が信用保証協会の業務として法律上に明記されたが、当協会では平成18年4月に「再生・経営戦略支援室」を設置し経営支援機能を強化してきた。平成25年4月に、ライフステージで異なる中小企業の経営課題にきめ細かく対応するため、新たに「創業サポートチーム」、「経営サポートチーム」、「再生サポートチーム」を設置した。中小企業のライフステージに対応した支援体制は、現在まで続く当協会の経営支援の大きな特徴となっている。本誌面では、当協会のアフターコロナに向けた重点施策であるゼロゼロ融資の返済開始に向けた支援を行う伴走支援チーム「伴走支援グループ」の活動をご紹介する。令和2年5月から取扱いを開始したゼロゼロ融資の保証実績は44,893件約8,571億円で約3万者の中小企業に利用していただいた。ゼロゼロ融資は返済据置期間を最長で5年設けることができたため、返済据置期間を設けた件数の割合は半分弱を占めていた。その後の新型コロナの長期化や、原油・原材料価格および人件費の上昇等によって中小企業の経営環千葉県信用保証協会 成長サポート部 副部長図表11.はじめに2.「ゼロゼロ融資」の返済開始に向けた支援「ゼロゼロ融資」の返済開始に向けた支援について菅野 宗孝令和4年4月には、新型コロナ対策として民間金融機関を活用して実施した実質無利子・無担保融資(以下「ゼロゼロ融資」という)の、元金返済が猶予される返済据置期間を設けた先(以下「返済据置先」という)に対する返済開始に向けた集中的な支援を行うため、「伴走支援チーム」を設置した(図表1)。

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