RSS2023
49/58

47の概要と中小企業にとってのDXについて説明する。支援事例としては静岡県内の農業法人のIoT活用について説明する。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」この定義は厳密であるが少し難解で直ぐに理解するのは難しい。中小企業へ浸透させるにはもう少し分かりやすい定義が望ましい。DXの概念は、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が2004年に提唱した「デジタル技術がすべての人々の生活を、あらゆる面で良い方向に変化させる」というコンセプトが起源とされる。この定義のほうが中小企業の経営者、従業員へは説明しやすい。さらに腹落ちするレベルまでデジタル・トランスフォーメーションを解釈するため著者は次のように定義した。「デジタル技術により圧倒的な競争優位性を確保し続けて生き残る」この競争優位性が重要である。既に圧倒的な競争優位性を確保できている企業であれば、デジタル・トランスフォーメーションは不要とも言える。しかし、中小企業で上記を実現できている企業は殆どなくデジタル・トランスフォーメーションは企業の存続のために必須事項となってきている。 1. ビジョンあるべき姿を考えよう 2. 短期的にはDXの理解、中長期的にはCX戦略 3. コロナ禍で明らかになったDXの本質は「素早く変革し続ける能力を身につけること、その中ではITシスムのみならず企業文化(固定概念)を変革する必要がある」デジタル・トランスフォーメーションをD(デジタル)X(トランスフォーメーション)分けて考えた時、重要なのはXであることを忘れてはならない。X(変革)のためのD(デジタル)である。デジタルはその手段でしかない。の策定、DX人材の確保に取り組もう。千葉商科大学経済研究所客員研究員中小企業診断士名倉 真史事例報告はじめに本稿ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)DXについて近年、中小企業でもデジタル・トランスフォーメーションの必要性について広く論じられている。経済産業省はデジタル・トランスフォーメーションについて次のように定義している。DXレポートのまとめ経済産業省はデジタル・トランスフォーメーションを推進することを目的にDXレポートを発行した。その全体像は図1のようになる。これを中小企業にとって必要なポイントに絞ると下記のようになる。【報告テーマ】中小企業のためのDX、IoT活用事例

元のページ  ../index.html#49

このブックを見る