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50当システムの概要図は図10の通りである。システムはAWS(Amazon Web Services)上に構築されている。ポイントとしてはサーバレスアーキテクチャにて構築している点である。専門のITエンジニアがいない企業でもサーバ管理の手間を省き、AWSの無料枠サービスを効果的に活用することで、低コストで運用可能である。図8 IoTシステム図9 パレット数集計画面図10 IoTシステム概要図課題を解決するためのIoTシステム根切り機に設置したクランプセンサーの電流データをシングルボードコンピュータ(Raspberry Pi)へ接続して取得するIoTシステム(図8)、パネル集計画面(図9)を開発し、現場に導入した。効果IoTシステムのコスト削減効果は下記の通りである。まとめ今回の支援事例として発表した京丸園は、ITの専門家を社内に有していない。しかし経営者、現場の社員ともに生産性向上への意識は高い。近年のAI・IoT発展はこのような考えの中小企業でも実現できる低価格化につながっている。また技術的にすごいことと、儲かることは別物であり経営のためのIT活用が強く求められる時代になった。250円/日(パネルを計算する時間、15分の人件費) ×250日(年間営業日)=62,500円/年の削減京丸園では多くの障害者を雇用しており、当作業も健常者と障害者が一緒に行っている。IoTシステムの導入後、健常者である現場の管理者から下記の感想をもらった。「改善後、数値意識を持ったスタッフたちが私達の計算を上回る速度で作業を遂行していきました。正直これには様々な可能性を感じました。私達健常者でも同じことがいえるのではないかと思いました。」このことからIoTシステムの導入により、パネル集計コストの削減だけでなく作業者の意識改革により、生産性を向上させたことがわかる。デジタル化は多くの中小企業にとって存続のための必須事項になっている。導入のハードルが下がったことを、今回の事例発表によって一つでも多くの企業に理解してもらいたい。

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